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【練功はスワイショウに始まりスワイショウに終わる/和気の気功観・気功論・6】

【練功はスワイショウに始まりスワイショウに終わる/和気の気功観・気功論・6】

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 「練功はスワイショウに始まりスワイショウに終わる」と私は考えています。
 気功が何かも知らず、気功をしたことのない人でも、その場で直ぐに出来ますし、熟達した気功の達人でも、丹田の気を体感し、充実していくことが出来ますので、気功の入り口として、或いは、気功の奥の終着点として、スワイショウは練功の最高の技だと思います。
 気功は体性感覚と、脳からのフィードバックによる感覚の再現の訓練だと考えている私にとっては、少し大きく、前後20度から30度くらい、合わせて45度から60度くらいの幅で手をゆらすだけのスワイショウは魅力いっぱいの練功なのです。
 

(つづく)

【練功を進めていく三つの方法/和気の気功観・気功論・5】

【練功を進めていく三つの方法/和気の気功観・気功論・5】

(5)

 ある程度、気の感覚が体感できるようになった人は、次にどんな練功をすれば良いかについて考えてみることにします。
 これには三つの練功法があると私は考えています。
 一つは、前後のスワイショウ(振り子のように両腕を前後にゆらすだけの動き)によって体性感覚と気持ちを向ける脳の使い方(意守する脳力)を開発し、丹田を温かくしていく練功です。
 二つ目は、白隠禅師の「夜船閑話(やせんかんな)」に学んで、〔洗い流し〕と〔採気と丹田蓄気〕の二つを身につけていく練功です。

 そして、三つ目が練功の王道と言えるものなのですが、練功を深めていく手順である〔緩感貫採練(かんかんかんさいれん)〕に従って練功していく方法です。

 気功の本や雑誌などで○○功などという定まった形のある作品が紹介されていると思いますが、気の感覚がわからないのに、その動きの形だけを覚えても、気功的には意味が無いということをしっておいて下さい。
 気の感覚の練功に併せて一つの作品(功法)を覚え、それを通して行なうことの心地よさは、また格別なので、自分の気の訓練に合った簡単な功法から覚えていくと、功法も楽しくなると思います。

〔気功流手当て〕和気の気功観・気功論/4

【〔気功流手当て〕和気の気功観・気功論/4】

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《気功流手当て》

 気功の練習、即ち、練功には大きく分けて五つの練習法があります。
 放鬆(ほうしょう)、意守、貫気、採気、練丹の五つです。
 これらの練習法の説明は別の箇所で詳しく行ないますノで、簡単に述べておきますと、放鬆は体の中を緩め、気の通り易い体を作る練習で、意守とは、体内の一部で気の感覚を体感できる脳を作り、体のあらゆる箇所で気の感覚が体感できるようになる練習です。
 貫気とは手足や胴体などで盾軸に気の感覚を動かし、体感する練習で、採気とは、外の気を体のあちこちから主に胸の中に採り入れ、その採り入れた気を丹田に集めていく練習です。
 最後の練丹は、採り入れた丹田の気を練って、命の底力である丹田力を強くしていく練習になります。
 これらの練習法の中で〔気功流手当て〕は胸やお腹の皮膚より中の感覚を体感していく練習なので、〔意守法〕の一つと言えるでしょう。
 さて、〔気功流手当て〕は、名前の通り〔手当て〕なのですが、、普通の手当てとは違います。
 私たちの掌は、虫たちの触角みたいなものですから、掌の触覚としての感覚は、他の全身の皮膚より感覚的に発達しています。
 しかし、この〔気功流手当て〕では、この掌の感覚を用いずに、掌は自分とは別の物体、言わば懐炉(カイロ)のように用いるのです。
 その懐炉である掌を胸板やおなかに当て、体側から掌の温かさを体感しにいきます。
 すると、体側の皮膚から皮下に温かさが染みこんできます。
 つまり、体の皮膚や皮下の温かさを感じている訳で、これは既に五感としての触覚から体性感覚を体感する脳に切り替わっていることを示しています。
 この体性感覚を用いる脳を作ること、その感覚に没頭し、脳波をα波にし、自律神経を副交感神経優位の側に移行していく訓練、これが〔気功流手当て〕の目的なのです。

●実習

?
 両手を軽くゆっくり擦り合わせるか〔気のボール〕を作って、掌を温かくしましょう。

?
 次の箇所に掌を当てて、皮膚から皮下、体内が温かくかんじられるまで当てておきましょう。
*片手でも両手を重ねて当てても構いません。

・天突(左右の鎖骨の間の凹み)の下の胸板。
・両胸(乳房)の間の胸板。
・上腹部の中央。
・関元(臍から指四本分の幅だけ下がったところ)を中心とした下腹。

*全て経穴名で記せば良いのかも知れませんが、掌を当てる部位も体感するところも、点ではなく、面若しくは立体的な層なので、大まかな場所にしておきました。
 〔関元〕という経穴名は丹田力を強くしていく上での必須の経穴になりますので、覚えておきましょう。

 〔気功流手当て〕は、体性感覚を開発し、更に体性感覚に没頭することで脳の使い方を変え、体内を副交感神経優位にし、意念(気持ち)をそれぞれの部位に向けることでその部位を体感できるようになるという気功の基礎的な練習なのです。

和気の気功観・気功論/3の3

【和気の気功観・気功論/3の3】

(3)の3

《気のボールづくり》

?、準備

?
 両手を向かい合わせ、独りジャンケンをし、「ジャンケン、パー!」と、大きく手を(指を)開いて下さい。

?
 その形から、中指の下の膨らみ(マメの出来るところ)を前に押し出すようにしながら、更に、少し痛いくらいに掌の皮膚をピーンと張りましょう。
*このことで掌に緊張を起こし、痛いくらいの感覚をたいかんすることで「体性感覚への没頭」の脳を作ります。

?
 その後、伸び切った掌の皮膚が元に戻るように力を抜き、皮膚を緩めます。
*皮膚を緩めることで副交感神経優位の状態を作ります。

?
 それから?と?をゆっくりくり返し、緩んでいく時に掌の感覚がジーンとしてきたり温かく感じてきたら、準備は終わりです。
*掌の毛細血管が膨らみ、皮膚温が上がっているのを体感できている訳です。


?、気のボールを作る

?
 肩の前で掌を前に向けて構えます。

?
 口から息が漏れ出ていくくらいの感じで息を吐きながら、両手をゆっくり前に伸ばしていき、掌を準備?のようにピーンと張りましょう。

?
 次に、口や鼻から空気が流れ込んでくるような感じで力を抜きながら両手を肩の前に戻してきます。

?
 掌感覚がしっかりわかるまで?と?をゆっくりくり返しましょう。

?
 ?で掌感覚が体感できてきたら、掌の動きは止めないで掌を向かい合わせにして、両掌を近づけたり遠ざけたりします。
*両手を近づけた時、両手の間に温かな空気があるという感覚がわかるまで続けて下さい。

?
 その掌の間の空気が掌にくっついて広がってくる、大きくなってくるという感覚が出て来たら、その動きを続けながらお腹の前まで降ろし、指先が前を向くようにして、胸板から動くようにして(肘で動かしているようにして)続けます。

?
 両手の間の空気の膨らみが体の幅くらいにまで感じられるようになったら、一番近づけたところから、肘で左右に広げ、腋の下の空間を感じてから肩を落とし、ふわぁーっと気のボールをやわらかく挟むような感じで気のボールを持ちましょう。
*最初に掌の感覚を充分に体感し、それから間の空気を少し押し付けたりゆるめたりして、気のボールとしての実体感を味わってみて下さい。 

 以上です。
 皮膚の変化と体感は、この方法で独りでに出て来ますので、意識して「気のボール」を作ろうとしたり、感じようとしたりしないで体感に没頭して下さい。

和気の気功観・気功論/3 の?

【和気の気功観・気功論/3の2】

(3)の2

《気のボールづくり》

 具体的な実習に入る前に、基本的な理論について押さえておきましょう。
 まず、気のボールの感覚ですが、人によって表現は違うけれど、ジーンとする、ビリビリする、ゾワゾワする、温かい、空気の反撥感があるなどが一般的でしょう。
 では、掌の皮膚に感覚の変化が起こるというこの現象を生理学的な視点で考えてみると、そこには三つの現象の変化があることが解ります。

?
 一つは、この感覚は掌の皮膚自体で感じているということです。
 この感覚は、視覚、聴覚などと同じ五感としての触覚ではありません。
 同じ皮膚でも、自分の体の状態を感じるための体性感覚を用いているという点です。
 つまり、五感ではなく体性感覚を用いているという点が、最初に押さえておかねばならない点なのです。

?
 二つ目は、特に「温かい」という感覚ですが、これは「皮膚温」が上がっていることを示しています。
 皮膚温が上がっているということは、皮膚に分布している毛細血管が拡張し、今まで以上の血液が掌の皮膚に流れ込んでいるということです。
 体中の温度(熱)は血液によって全身を巡っていますので、掌の血液量が多くなれば、必然的に皮膚温は上がり、「温かい」という感覚になるのです。
 では、どうなれば毛細血管は膨らむのかということですが、それは、自律神経が交感神経優位から副交感神経優位の状態に変化していくからです。
 毛細血管を拡張させたり縮小させたりするのは自律神経の働きによるもので、副交感神経優位になれば掌の毛細血管は膨らんでいき、皮膚温は上がっていくのです。

?
 もう一つは、脳の使い方が変わるという点です。
 五感や意識を用いると、脳は活発に働き、脳波はβ波になります。
 つまり、緊張状態になるのです。
 これに対し、掌の皮膚の感覚だけを体感する脳の使い方は、体性感覚を用いるということになり、意識レベルの脳の働きは抑制され、脳波もα波になっていきます。
 微妙な脳の状態を体感することは出来ない訳ですが、意識しようとせずに、掌自体の感覚の変化に没頭さえすれば善いわけで、これが三つ目に抑えておかねばならない視点なのです。

 キーワードは、副交感神経優位、体性感覚、体感への没頭の三つです。
 整理してみますと、掌を副交感神経優位にし、毛細血管を膨らませ、そのことで掌の皮膚温を上げ、その皮膚温の変化を体性感覚で体感することに没頭するということです。
 もっと簡単に言えば、掌に変化を起こし、その変化していく感覚に没頭するということだけなのです。

 以上の点を抑えた上で、実際に「気のボール」をつくり、体感してみることにしましょう。

(つづく)
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