ABC2年生は、今日も女子3人で坂の下のカフェに繰り出す。街はクリスマス仕様に飾り付けられ、気持ちを盛り立てる。12月26日を過ぎてしまえば一気に年の瀬。その準備もすでに始まっている。
「沙都子、バイト忙しそうだけど大丈夫?」
「そこまで忙しすぎて倒れる〜って程ではないから大丈夫。年が明けたら、来年新卒で就職する人たちの研修が始まるんだって。何人かの人とはもう顔合わせもしてるし」
「へえ、もうそんな時期なんだ」
「一緒のフロアになる人が既にベテランさんみたくて、大失敗しちゃって」
「年末恒例GREENs赤白対決ー!」
「どんどんどんどんぱふー!」
「さっちゃん、元気があってよろしい。赤に10点」
「やったー!」
尚サンが言うには、別にこの赤白対決というのが恒例行事というワケではなく、慧梨夏サンが単純に紅白歌合戦とかけて年末恒例と言いたかっただけなんじゃないか、とのこと。
紅白対決というのは男女に分かれてくじ引きで指定された勝負をしながら点数を競う対決らしい。一応バスケサークルだけに、バスケに関係ある勝負もあればない勝負もある、とのこと。
慧梨夏サンによれば、これが今年のGREENsのクリスマスパーティーになるという。何かしら理由を付けてイベントごとにしたいという慧梨夏サンの性格なんだろうけど、これに乗じて楽しむ性質のサークルなのがいい風に働いてるんじゃん?