【何を如何に伝えるべきなのか・1の2】2月11日

中国気功(チャイニーズチーコン)の源流は、仏教や漢字、鍼灸などと同じように古い時代から運動法(導引法)や呼吸法として入ってきているでしょうし、仏教や日本の神道にも影響を与え、公家や武家、仏道などのなかでの健康法として何らかの形で伝えられ、実践されていたことでしょう(どなたか研究して下さい)。
 聖徳太子や紫式部、頼朝や清盛、信長や家康、或いは、空海や最澄、法然や親鸞などがどんな体操をし、どんな呼吸法をしていたんだろうと考えるだけでも楽しくなりませんか?

それはさておき、いま行なわれている気功は、戦後、1950年代になって、それまで中国の仏家や道家、武家、医家などの中で伝えられ実践されていた運動法や呼吸法を「気」という概念によってまとめた健康法であり、1980年代になって日本に入ってきたものです。
しかし、残念ながらというべきか、入って来たのは作品としての功法が殆どで、「気の訓練」としての理論や実習法は殆ど伝えられては来ませんでした。
僕が林茂美先生から学んだ「大雁功」や「香功」も林厚省師の「太極気功18式」も、湯偉忠さんの「鳥形八式」や「金剛八式」も、麗絹さんの 「九九蓮花功」も、呉第才師の「手龍功」も、他の多くの功法も、全て動きの形を伝えられるだけで、その中に含まれている「気の訓練」については殆ど伝えられなかったのです。
ですから作品としての功法を学ぶだけのチャイニーズチーコンを教場的にまなび、それらの先生に盲目的に従っても「気功」の本質には辿り着けないというのが僕の気功探求の結論であり、そこが入り口だったのです。