【ふぁんそんテクニック・運動の感覚・4/和気の気功観・気功論・18】

?、運動の感覚を体感する

3、蝶の羽ばたき・羽回し

【緩感貫採練・ふぁんそん・3】では3番目に〔腕わかめ〕を持ってきていましたが、練習としては〔すわりイルカ〕に併せて練習した方が良いので、先に〔蝶の羽ばたき・羽回し〕について述べることにします。
 この練習においては、運動の感覚と同時に、皮膚の伸び縮みの感覚も体感します。
 まず最初に〔蝶〕は何処に在るかと言いますと、胸側と背中側の二ヶ所にあるのです。

? 胸側の蝶の羽ばたき・羽回し

 胸骨(胸板)の上の左右にある鎖骨の下を外に向かって撫でていき、肩関節にぶつかったところの凹み、経穴名で言えば〔雲門〕あたりまでを上の線とし、そこから下がって胸の下、みぞおちの高さ辺りまでを縦の線、そこから胸板の下あたりまでを下の線とし、その範囲が蝶の羽で、胸板が蝶の胴体ということになります。
 〔すわりイルカ〕において、胸から前に突き出したり戻ったりする時に、その胸側の蝶が羽ばたいているように揺らされているのを体感します。
 意識を肩の方(羽の外のライン)に持っていって故意に動かすのではなく、意念(気持ち)を蝶の胴体(胸板)にくっついている羽のところに置いて、胸板の前後の動きによって、蝶の羽が独りでに揺らされているような感じにして下さい。
 その揺れも、内側から外側に向かって順に揺れているような感じになってくると、〔ふぁんそん〕もかなり進んだ段階になったと言えるでしょう。

? 背中側の蝶の羽ばたき・羽回し

 背中側の蝶も胸側と同じような範囲で背中側に作りますが、羽の上のラインは肩甲骨の上のラインになりますから、背中側の蝶の方がやや大きく感じるかも知れません。
 肩甲骨の間の胸椎が前後に揺れながら反ったり丸くなったりする動きによって蝶が羽ばたいているような感じで揺らされているのを体感します。
 この背中側での蝶の羽ばたきの場合は、まず左右の肩甲骨の間(肩甲間部)の揺れを体感して下さい。
 それから肩甲骨全体が羽ばたくように揺らされているのを体感するようにしましょう。

 〔蝶の羽回し〕は、胸側も背中側も、〔蝶の羽ばたき〕に続いて、胸板や背骨を支点にして、丁度、縄跳びをしているような感じで回します。
 但し、主たる意念と感覚は、蝶の胴体(胸板や背骨)に置いておくようにしましょう。