【養生気功フルヴァージョン】


 養生気功フルヴァージョンは、次の六つの内容によって構成されています。

1、昇降開合
2、鳥の舞4種
3、気のボール遊び4種
4、馬歩雲手(マープーユィンショウ)
5、三円式タントウ功
6、採気法4種
の六つです。

《準備》

 両足を肩幅よりやや広めに開いて立ち、少し腰を落として肩の力を抜き、両腕を垂らして構えます。 

《1、昇降開合》

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 ゆっくり息を吐きながら両手を前に回した後、息を吸いながら足の裏で床を舌に押し、上体が上がるのに合わせ、掌を下に向けて指を垂らした両手を軽く伸ばしたまま胸から首辺りまで挙げていきます。

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 次に、息を吐きながら膝と肩の力を抜き、腰が降りるのに合わせて両手を下腹の高さ辺りまで降ろします。

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 続いて、息を吸いながら足の裏で床を押し、掌が向かい合うようにしながら、胸板から広がるように両手を左右に広げて行きます。

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 最後に、息を吐きながら膝と肩の力を抜いて、腰を降ろしながら両手を下腹の前に近づけてから?に戻って〔昇降開合〕を数回繰り返します。


《2、鳥の舞》

 1の〔昇降開合〕に引き続いて行ないます。

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 昇降開合と同じように呼吸に併せた上体の上下の動きに併せ、昇降開合の?と同じような感じで両手を前から頭上に挙げていき、その手を左右に開きながら息を吐き、掌を外に向けた形で横から降ろし、数回続けます。

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 ?の後、骨盤を左に捻りながら左手を前から挙げていき、後ろから降ろしながら骨盤を正面に戻し、左右交互に繰り返します。

?
 骨盤の動きはそのままに、両手を?の動きに替え(前後に開きながら降ろす感じで)左右交互に数回繰り返します。

?
 正面を向いたまま、両手を後ろ気味に横から挙げて前から降ろし、数回繰り返します。


《3、気のボール遊び》

 2の〔鳥の舞〕に引き続いて行ないます。

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 〔鳥の舞〕の最後に下腹の前で両掌を向かい合わせにして気のボールを持ち、、呼吸に併せた上体の上下の動きに併せ、息を吸いながら両手を体の前で顔の高さ辺りまで挙げ、息を吐きながら下腹の前まで降ろし、その動きを数回繰り返します。

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 ?の後、気のボールを自分の方に引き寄せながら首のあたりまで吸い上げ、尾骨から後ろに引き、腰を反らせながら気のボールを更に挙げながら前に押しだしてから息を吐き、腰を丸くしながら気のボールを前回しにして降ろし、再び体を起こしながら気のボールを引き寄せ、腰から反り上がりながら気のボールを挙げていき、前回しの動きに替えて数回繰り返します。
*前回しだけでなく、上半身は同じ動きを続けながら骨盤を左右に捻りながら行なっても楽しくなると思います。

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 ?の後、前から降ろしてきた気のボールを、腰を左に捻りながら左後ろに引き、後ろ側で円を描きながら挙げ、次に腰を右に捻りながら右後ろろに降ろし、後ろ側で円を描くようにして挙げ、〔∞〕の形で描く動きを繰り返します。

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 ?の後、右側に降ろした気のボールをそのままにして、息を吸いながら腰だけを左に捻り、息を吐きながら右に捻り戻し、気のボールを臍の高さに保ったまま、腰の左右捻りの動きを繰り返します。

《注意》

?の動きは、上体を垂直に上下させるようにして下さい。

?は、脊椎(背骨)を前後に波打たせるような動きで、脊椎をゆるめていくようにして下さい。

?は、上体が前後左右に傾かないようにしてください。

?では、骨盤から腰椎(腰)、胸椎(背中)と下から上に向かって上体が螺旋状にねじれていくのを感じて下さい。


《4、馬歩雲手(マープーユィンショウ)》

 〔気のボール遊び〕に引き続いて行ないます。
*この〔馬歩雲手(マープーユィンショウ)〕だけを単独に行なっても気功的な意味(有効性)はありますので、ここから始めても構いませんからね。


 〔気のボール遊び〕の?で腰が右に捻られたところから左手を額の前に挙げ、掌を眉間にむけ息を吸いながら腰を左に捻っていき、左右の手を交代させながら息を吐き、腰を右に捻っていき、左右交互に繰り返します。
 両手を交代させる時、左右の手はそれぞれに楕円形(⊂⊃)のようにし、手の動きに早い遅い(緩急)がないように気をつけましょう。


《伝言》

 中国で治療の中に気功が採り入れられ、各地に〔気功療養所〕が出来た時、療養(入院)していた人たちが、この馬歩雲手(マープーユィンショウ)を朝夕各二十分くらいずつ実行し、難病を克服していったという話を、僕の師匠である林先生から聞いたことがあります。
 それほどに効果の高い功法、それが馬歩雲手(マープーユィンショウ)なんだと考えています。


《5、三円式タントウ功》

 タントウ功というのは立式静功の一種です。
 4の〔馬歩雲手(マープーユィンショウ)〕に続いて行ないます。

《実習》

 馬歩雲手(マープーユィンショウ)をゆっくり終わりながら、大きな気のボールを抱えるようにして胸の前で両手で輪を作り、掌を両胸の間(だん中)に向けます。
 その後、ふっと肩と肘の力を抜くと同時に腰を落とし、体重を踵に降ろします。
 その形で数分立ち続けます。

《注意》
 体を岩のようにガチッと固めないで、自分の体は液体で出来ているという感じで立ちましょう。
 足首のところで前後にゆらゆらしていて(故意に揺らす訳ではない)、その揺れで骨盤が前後に揺れ、その骨盤の揺れによって脊椎(背骨)全体が波のように揺れ、更に肩関節の中まで揺れて、海の中の海草のようにゆったりとやわらかく揺れている様な感じで立って下さい。
 気のボールを抱いている感覚から胸の中の感覚が出て来たら、意守丹田で丹田の中が温かくなる感じになるくらいまで立つと良いと思います。


《6、採気法》

 気功の中でも、天地いっぱいに満ちあふれている自然界の気を体内に採り入れる取り組みほど心地よいものはありません。
 すればするほど、自分にパワーが付いてくる実感が出て来ます。

 5の〔三円式タントウ功〕に続いて行ないます。

●大地の気の採気

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 〔三円式タントウ功〕で構えていた両手の掌を胸板に近づけ、膝もラクに伸ばして両足の幅も狭めながら胸の前の空気を胸の中に吸い入れ、胸の中に採り入れた気を下腹から両足を通して大地の中まで吐き降ろすような感じで両手を前から降ろして体側に垂らします。

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 両手を誘導にして体の横側で引き上げながら、踵から腰、背中(或いは後頭部)と大地の気を吸い上げ、両手を前に回しながら気を体内に採り入れ、、採り入れた気を丹田に吐き降ろすようにして両手を下腹まで降ろし、、その動きを数回繰り返します。


●後ろの気の採気

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 左右に垂らした両手の掌を後ろに向け、横に挙げながら後ろに回し、腰から気を吸い入れるような感じで、掌を腰(命門)に近づけます。

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 腰に採り入れた気を丹田に吐き降ろすようにしながら両手をわき腹を通して斜め前の下腹に回し、この動きを数回繰り返します。


●天の気の採気

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 掌を上に向けながら、軽く伸ばした両手を横から挙げていき、肘を曲げながら天の気を集めるようにして掌を下に向けた手を顔から首の辺りにおろしながら、首から胸の中に天の気を吸い入れます。
 天の気は、頭頂部やえり首から流れ込んでくるように感じて下さい。

?
 胸に採り入れた気を丹田に吐き降ろしながら、両手を下腹まで降ろし、?に戻って数回繰り返します。


●前の気の採気

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 掌を前に向け、少し横から挙げながら前に回し、前の気を胸の中に採り入れるようにしながら、りょうてを丸くして掌を胸板に近づけます。

?
 胸に採り入れた気を丹田に吐き降ろしながら、両手を下腹まで降ろし、?に戻って数回繰り返します。

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 ?を数回繰り返した後、掌を胸板に近づける時、小指から順に握りながら拳を作り、肘を上げ、拳の形で押し込むように降ろし、丹田に圧を加えて行き、それを数回繰り返します。


●収功

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 採気の動きを終えた後、両掌を丹田に向け、意守丹田をして丹田感覚を体感しましょう。

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 男性は左手、女性は右手の掌を下腹(関元)に当て、反対側の手を腰椎(命門)に当て、丹田の感覚を体感します。

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 丹田の感覚を両足いっぱいに広げていくような感じで両手を体側に垂らしていきます。
 最後は腰湯感覚になって終わります。
 上半身は顔や胸板を広げ、体内の感覚を外に解き放っていくようにし、更に、頭頂部から後頭部、背中や腕の外側からも外に染み出ていき、皮膚のバリアが薄らいでいって、周りの空気と同化していくような感じにして下さい。
 上半身は空に溶けているような感じ、下半身は温かな液体で満たされているような感じにしてから両手を擦り合わせ、足踏みなどをして終わりましょう。