秋学期が始まった。これまで送っていた堕落した生活のツケが一気に回ってきたような気がする。今だって眠たくてしょうがない。飲み物もいつもは午後ティーだけど、今日は缶コーヒーにした。
「タカちゃんおはよー」
「あ、果林先輩おはようございます」
「眠そうだねえ」
「眠いですね」
果林先輩は相変わらず元気そうだ。俺と果林先輩は同じ学科ということで、秋学期に受ける授業もいくつか同じものがあるらしい。たとえば、体育のゴルフとか。これは学科に関係ないか。でも、これから受けるものはそうだ。
果林先輩は特別成績がいいというわけでも悪いというわけでもないらしい。ただ、去年はバイトを含めた生活リズムに慣れなくて寝坊が増えた結果いくつかの単位はお察し、という事情だとか。