「カ〜ズ〜」
「おかえり……って慧梨夏、大丈夫か顔色悪いぞ。イベントで人酔いしたか」
「事件だ……」
慧梨夏がとんでもない顔をして帰ってきた。血の気がちょっと足りないような感じ。どんな事件があったのかはパンピーの俺にはちょっとよくわかんないけど、血の気がないのはよろしくない。
今日は例によってイベントということで慧梨夏はアヤさんと一緒に参戦することになっていたと聞いている。それと、就活で出会ったお仲間の人を巻き込んだとか。
「ゴメンね朝霞クン、いつも売り子頼んでる子、具合悪くなっちゃって来れなくなったんだってー」
「具合が悪いならしょうがない。お大事にしてもらって」
イベント当日。うちは既刊をいくらかと、新刊2冊。朝霞クンの方も何か盛り上がっちゃって文庫本サイズの本が1冊とコピー本が1冊上がってますよね。
元々2スペで取ってたから並べられてるけど、もしかしたらもしかしたねこれ。肩からかけたカーディガンを前で結ぶプロデューサースタイルは嘘をつかないって感じ。