ひっきりなしにかかってくる電話。携帯は充電しなきゃいけないけれど、充電してもすぐなくなっちゃうからなあ。音は鳴らないようにしてるけど、振動音がしんどい。
林原さんがタオルを手渡してくれた。前にこのことで相談したことがあって、事情は伝わっている。俺の気持ちの面では少し楽になったけど、電話に対する対処は何も出来ていない。
電話の主は大学に入るまで5年付き合った彼女だ。彼女と同じ地元の国立大に行くはずだったけど、目標が変わった。それを言えずに黙って星大を受けて喧嘩別れ。無言電話が始まったのはそれから。
「川北、携帯の契約を見直したらどうだ。格安で2台目を持つなど」
「うーん、そうですねー。そろそろ考えた方がよさそうですねー」
「ミドリ、眠そうだね〜。はい。春山さんのだけど」
「あ、烏丸さんありがとうございますー」
「さあお前たち、菜月先輩推薦、圭斗先輩からのこれ以上ない素晴らしくありがたい差し入れをよーく味わって食え」
しっかりとした箱に入っていたのは、黄色くて丸いお菓子。野坂さん曰く、菜月先輩推薦、圭斗先輩からのこれ以上ない素晴らしくありがたい差し入れ。とのこと。
今日はMMPの3年生追いコンと新入生勧誘活動に向けた1・2年生の会議です。やたら意気揚々とした様子の野坂さんが気持ち悪いくらいですよ。だって、ついこないだまで3年生欠乏症に陥って死にかけてたのに。