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気づきの足跡・3

【気づきの足跡・3/気のボールづくり

 気功を習い始めた人の希望の多くが「気を感じたい」、「きのボールが作りたい」など、気の感覚の体感であろうことは疑いのないところであるが、僕も、習い始めの頃は、というより「気のボール」が体感出来るようになるまでは「気のボールを作って感じたい」と強く思い、それは約半年間ほど続いたのだった。
 先輩の中には、例えば、両手を向かい合わせて近づけたり遠ざけたりして「こうするのよ」とか「両手の間に反発感のある丸い空気があるようにイメージすればいいのよ」みたいな感じで教えてくれる人はいたが、左脳人間の僕には殆ど役には立たず、科学的に「気のボールの作り方」について教えてくれる人はいなかったのである。
 スワイショウへの気づきと同じように、気のボールも、意識やイメージではないことに気づくまでかなりの時間を要したのであった。
 気のボール感覚は皮膚の感覚であって、意識やイメージの産物ではない。
 では、皮膚の感覚とは何なのだ?

 そのヒントを与えてくれた実習があった。
 共に中国の気功師の講習だった。
 一人は拍手するように両掌をパンパンパンと強く叩いた後、両掌を上に向けて、掌に現れるじーんとした感覚を味わうものだった。
 もう一人は、片方の手の五本の指先を尖らせるようにして合わせ、それで反対側の掌の真ん中を20回ほど強く叩いた後、叩かれた方の掌を上に向けて、そこに現れるジーンとした痛い感じやズーンとした重たい石が載っているような感覚を体感するものだった。

 その痛いようなジーンとするような感覚は、昔、親父に頬を叩かれた後の感覚と同じだった。
 手や足を何処かにぶつけた時の感覚も同じだろう。

 「この実習は、生理学的に何をしているのだろうか?」
という疑問に対しての僕の結論は、
「掌の皮膚を一度緊張させ、その後に訪れる弛緩の感覚を体感しているのだ!
」というものだった。
 皮膚を緊張させるのに、いちいち手を叩いていたのでは意味がない。
 では、ほかに掌を緊張させる方法はないのか?
 そうだ!
 掌の皮膚を痛いくらいにピーンと張ればいいのではないか?

 そのことに気づいた僕は、直ちにそれを実習してみたのである。
 するとどうだ。
 一度で掌がジーンとして、尚かつ温かな感覚が体感出来たではないか。
 ここが僕の気のボールへの気づきへの出発点だと言えるだろう。

 だだ、その感覚が体性感覚であり、弛緩の感覚は皮膚が副交感神経優になって血管が拡張していく時の感覚だという生理学的な結論に至るには、もう少しの時間を要したのだが、これが、「ふぁんそん掌」を導きだし、「気のボールづくり」への科学としてみなさんに報告できるようになったのである。

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和気の原稿/7月8日分です

タイトル
 気功治療への道案内/六日目

本文

◆陰経と陽経を分ける三つの言葉

 「私、鳥の舞の練習のお蔭で、肺経、心包経、心経の立体的なルートの感覚、少しは解るようになりました!」
と、愚庵に入るなり、佳与は靴も脱がずに早口で言った。
 気の感覚の体感が余程嬉しかったのだろう。
 梅雨の晴れ間と言っても真夏日の暑さの中を歩いてきた二人の娘に、私は麦茶と冷えたトマトを振る舞ってから塾を始めた。
 「前回は手の陰の経絡のルートを勉強しましたので、今回は足の陰のルートを覚えることにしましょうか。」
 すると、茉奈が珍しく口を開いた。
 「先生、経絡の本を見ますと、例えば肺経なら、〔手の太陰肺経〕のように、肺経の前に〔太陰〕という言葉が付いているんですが、これはどういう意味なんですか?」
 そう言って茉奈がノートに目を落とした。
 「それはですね…」
 そう言いながら、私はホワイトボードを取り出し、次のように記した。

前側→太陰→肺経
中側→厥陰→心包経
後側→少陰→心経

 「この太陰や厥陰(けついん)、少陰という言葉は、起立した姿勢で、手の陰側、つまり掌側を縦に三つに分け、前の親指側から太陰、厥陰、少陰と名付けていて、どの場所を通っているかを示している経絡学の言葉なんですね。」
 「つまり、手の太陰肺経というのは、手の陰側の前側をを通っている経絡で肺臓と関係している経絡だという意味なんですか?」
と、茉奈がは言った。
 「そうです。
 太陰と聞けば、あゝ、この辺りを巡っているんだなぁということが判る訳で、それが判るようになると良いですね。」
 (「すると、先生!」
 今度は佳与だ。
 「掌側を三つに分けた言葉がある訳ですから、手の甲側も三つに分けられた言葉があるんですよね?」
 「陰陽として対になっていますので、ややこしいですが、いま覚えておきましょうか。」
 私は再びホワイトボードにをに次のように記した。

●手の経絡
*太陰肺経=陽明大腸経
*厥陰心包経=少陽三焦経
*少陰心経=太陽小腸経


 「先ほどと同じように起立した姿勢で手の甲側を前から陽明、少陽、太陽と名付けています。」
 「知らない街に行って、通りの名前を覚えるみたいな感じですね。」
と、茉奈が言うと、佳与が、
「京都みたいに、一条、二条、三条ってしてくれていれば覚えなくても済むのにね。」
と言って笑った。
 「漢字文化が育った中国の漢の時代あたりに造られた言葉ですから、意味はそれなりにあるんでしょうね。」
と、茉奈が呟くように言った。


◆足の経絡

 「それはまた別の時の研究課題として、次に、足の陰の経絡の名前とルートを覚えましょう。」
 私は、そう言って、ホワイトボードに次のように記した。

太陰→脾経
厥陰→肝経
少陰→腎経


 「足の場合は、足の前側の脛(すね)の骨の出っ張りのラインと、足の真後ろのアキレス腱のラインで足を縦に二つに分けて、内くるぶし側の面を陰、外くるぶし側を陽と考えて下さい。」 
 私が言うと、佳与は片足を前に伸ばして、
「こんな感じですか?」
と言って、手で足の陰側を縦に三つに分けて撫でた。
 「足も、陽側は、前から陽明、少陽、太陽の順なんですよね?
 その経絡名も教えて下さいませんか。」
と、茉奈が言うので、私はまたホワイトボードを使った。

●足の経絡
*太陰脾経=陽明胃経
*厥陰肝経=少陽胆経
*少陰腎経=太陽膀胱経


 「今日は頭が痛くなるほど色んな言葉や関係を教えて頂きましたので、今日は帰ったら、整理してノートを作ります!」
 佳与が真面目な顔で片手を挙げて宣言したので、私と茉奈は顔を見合わせて笑った。
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