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気づきの足跡・8

【気づきの足跡・8/小周天

 小周天というのは、体幹部の正中(真ん中)のラインで気を巡らせる練功のことを言い、尾骨から後頭部、頭頂部を通して額から上あご辺りまで運んできた気を胸、腹、恥骨と降ろし、会陰から肛門を通して尾骨に運び、それを繰り返して、言わば体幹部で楕円形に気をまわしていく練功を指していて、これが内気功、養生気功の最高レベルの練功だと言われているのだ。
 今でもそうだが、僕が習った時も、督脈で挙げていき、任脈で降ろすと言われていた。
 そして、督脈は上の歯茎まで来ていて、任脈は舌の根元まで来ているので、それをつなぐために舌先を上の歯茎に付けると教えられていたのだ。
 僕は鍼灸師として経絡については少しは知識があったために、逆に、その督脈、任脈が気になり、この小周天が出来るようになるまでに5年以上の年月を要してしまった。
 何が問題だったかと言えば、鼻の奥や上あご辺りから天突(鎖骨の間の陥凹部)までの間のきの感覚が出ないというか、上手く動かせないでいたのだ(要するに感覚がわからなかったのだ)。
 そんな時、ある先輩から
「気功で用いるツボは鍼で用いるような小さな点ではなく、もっと大きな面として捉えるべきだ」
というヒントをもらったのだ。
 言われて見ればその通りで、意守労宮と言っても、労宮というツボの一点の感覚ではなく、掌や指の皮膚から皮下に、或いは皮膚にくっついている空気感なども含んだ立体的な感覚である。
 とすれば、経絡も単なる線ではなく、溝というか筒というか、そんな立体的なものではないか?
 この疑問が大ヒントになった。
 気は肉体感覚もあれば、皮膚にくっついた外の空気の感覚も含んでいる。
 だとすれば、上の歯茎から舌の根元へと舌を通して気を動かすなどというバカげたことはしなくても良い訳だ。
 鼻の奥の感覚と顔の前の空気感覚を合わせた立体的な感覚をそのまま真っ直ぐにおろしていけば善い。
 すると、顎の舌の空間も通って胸の中や胸板の前の空気を合わせた感じで降りてくる。
 つまり、気は、細長い楕円形のドーナツのような空間の中を巡ることになるので、首のくびれや顔の形などに関係なく、体の中と外とを合わせた立体的な空気感覚のママ期を回していけばいい訳で督脈とか任脈などという表現は、単なる道標であるということに気がつきそれからは、わりと早く小周天が身についていったのである。
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