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新しい気功教室の流れを考える・3

新しい気功教室の流れを考える】3

*前項の?の何処かで「体の構造/体壁系(動物性機能)と内臓系(植物性機能)」の話を入れる必要がある。


一日目・?

●すわり金魚の実習

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 背骨の揺れの感覚は自らの内部の感覚であり、この内部の動きを体感す感覚を体性感覚と呼び、外部に向けられた五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)などの体壁系に用いられる感覚と区別する。

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 体性感覚には、運動の感覚、皮膚の感覚、体内の感覚の三種類があり、「すわり金魚」での背骨の揺れの感覚は、体性感覚の中の運動の感覚、中でも受動的に動かされている動き(運動)の感覚の体幹の練習であった。

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 運動の感覚の中でも能動的な動きの感覚は、動かそうとする脳の働きが関与し、この能動的な意思の働きは、外部に働きかける体壁系の脳と同じ分野の脳の働きになり、脳の働きを消去させる取り組みの妨害になり、従って、体壁系の脳の働きを消去させていくためには「すわり金魚」による受動的な動きの感覚である背骨の揺れを体感することが有効になるのである。

新しい気功教室の流れを考える・2

新しい気功教室の流れを考える】2


一日目・?

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 頭痛、めまい、肩こり、腰痛、不眠、胃腸の不具合などの不定愁訴や高血圧、糖尿病、心臓疾患などの生活習慣病など、私たちの体に起こる様々な変調、不具合には、多くの場合、ストレスが関与している。

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 ストレスは外の環境や条件など、外部からの刺激と自らの心身との摩擦、衝突によって引き起こされている。

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 外部からの刺激に対応する脳の興奮の持続が自律神経や内分泌ホルモンを介して体内(内臓)に反応を起こし、様々な症状を起こしている。

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 ストレスから身を守る為には、外部からの刺激に反応し辛い脳を作ることである。

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 その為には、外部に向けられている脳の働きを消去させる取り組みを身につける必要があり、その入り口が「ふぁんそんテクニック」である。

新しい気功教室の流れを考える・1

新しい気功教室の流れを考える】1

 新しく気功教室を始めるという視点での講習内容を考えてみようと思います。
 基本は、必要な理論を組み込みつつ、繰り返し繰り返し実習しながら一つずつ気功の技を身につけていってもらえるような講習にしていくということです。
 必要な理論の中には、気功の理論だけではなく人体科学(生理学)、東洋医学、仏教(哲学、思想)など、生活や人生への指標などについてもお話し、気功と人生を深めていければと思っています。

そして、受講された方々が独りでも気功を深めていけるようになって頂ければいいと思っています。

 ということで、三ヶ月程度の講習内容を考えてみることにしますね。

和気の原稿/7月29日分です

タイトル
 気功治療への道案内/九日目

本文

◆具体的な実習を楽しむ 


 「少し頭を使い過ぎましたので、今日は治療の実習をしましょうか。」
 私が言うと茉奈と佳与は嬉しそうに顔を見合わせた。
 外では蝉たちが残り一週間の命を燃やすべく勢いよく鳴いていた。
 「気功治療には、免疫力を強くする治療、全身の経絡の気を調える治療、具体的に表れている症状に対処する治療の三つがあるんですよね。」
 私が言うと、二人はノートを取り出した。
 私もホワイトボードを取り出し
 


1、免疫力を高める
2、経絡の気を調える
3、症状を緩和する
    


と書いた。
 「今日は、二人で組になって、独りが患者、独りが治療師になり、この三つの治療の練習をしてみましょう。」
 「すると、一人が横になった方が善いですよね?」
と佳与が言い、
「私、患者になる!」
と、仰向けに寝転んでしまった。
 笑い顔になっている茉奈に私は言った。
 「では、まず、証を決めるまではいかなくても、寸関尺のそれぞれで比較脈診をして、脈の状態を、そうですねえ、一番弱いと感じるところをみつけて下さい。」
 私が麦茶を飲みながら見ていると、茉奈は丁寧に、そして真剣に佳与の脈を診ていた。
 そして、
「脾が一番弱く感じました。」
と言った。
 「では、最初に免疫力を強くする治療をしましょう。
 佳与さんの左手の陽池に茉奈さんの右手の労宮を当てるようにして手首を包み、左手を佳与さんの関元に向けて下さい。」
 「佳与さんの丹田のところに気のボールを押し当てるようにすればいいんですか?」」
 茉奈が訊いたので、私は目を細めて頷いた。
 ちなみに、「陽池」という経穴(ツボ)は、手の甲側の手首の真ん中にあるツボの名前で、三焦経のバランスを調えるための有効な「原穴」になります。
 原穴は各経絡に一つずつあり、補法にも瀉法にも用いてよく、治療には、まず原穴をを用いるようにしてみると善いと思います。
 三焦経は、胸部、上腹部、下腹部の内臓全体の気のバランスを調えていく経絡で、その原穴を用いることで、免疫力を高める働きがあるんです。
 茉奈はしばらくの間その形を保っていた。
 3分くらい経った後、私は、再度、佳与の脈を診るように勧めた。
 「全体的に脈も締まったようで、脾の脈も少し強くなったような気がします。」
と茉奈は言った。
 「軽い症状なら、その治療だけでも効果はありますが、今日は練習なので、次の治療もしてみましょう。」
 「証を立てるんですか?」
 茉奈が訊いたので、
「それはもう少し勉強してからにして、今日は、脾に対して気を補うだけの治療をしてみましょう。」
 「どうすれば良いんですか?」 茉奈の問いに
「脾の原穴に気を入れるんです。」
 「脾の原穴は何処なんですか?」
 茉奈の問いに私は答えた。
 「脾の原穴は、太白と言って、足の親指の根元の膨らみである母指球を作っている太い骨の内側の後ろにある凹みです。」
 茉奈は、
「足の甲にある細長い骨の中で親指の骨の内側と母指球の境目の凹みですか?」
と訊いたので、私は佳与の右足の太白のツボに指を当てて茉奈に示した。
 「ここに剣指で気を入れるようにするんですか?」
と茉奈が言った。
 私は、
「女性には、陰陽の考え方から右の手足のツボを使い、脾の経絡は足先からおなかの中に向かって流れていますので、剣指も少し斜めにお腹の方に向け、ゆっくり右回しに動かしてみて下さい。」
と、幾つかの注意点を伝えた。
 茉奈は佳与の右足の太白に剣指を斜めに向けて、指先を右回しに動かした。
 剣指を10回ほど回した茉奈に向けて、
「では、また脈を診て下さい」
と、私は言った。
 脈所に指を当てていた茉奈は、驚いたように、
「脾の脈が強くなっています!」
と、声を上げた。
 「では、最後に、症状治療に入りましょう。
 佳与さん、何処か調子の悪いところ、ありますか?」
 そう私は言った後、本当の治療の場合は証を立てないといけないので、こんなことは最初に訊くのだが、と付け加えた。
 佳与は、少し寝不足なのか、頭が重いというか、後ろ首筋が凝っている感じがする、と答えた。
 「では、佳与さん、うつぶせになってください。
 で、茉奈さんは佳与さんの首から背中に掛けての辺りに気のボールを押し当てるようにしてみてください。
 両手でも片手でも構いませんからね。」
 そして、その治療を3分ほど続けてもらった後、茉奈に再び脈を診させ、脈が調ったのを確認させた。
 「あー気持ち良かったー!
 首のところのつかえが取れたような感じです!」
と、佳与は言って起き上がった。
 その後、二人の立場を交代させて、佳与にも茉奈と同じようにちりょうしてもらい、今日の実習を終えたのである。

和気の原稿/7月22日分です

タイトル
 気功治療への道案内/八日目

本文

◆証の決め方

 「今日は気功治療の中での中心的な課題である証の決め方を勉強しましょう。」
 鈍よりした、それでいて時々、ザァーと強い雨を落とす梅雨空の中を歩いてきた二人と参議院選挙の話などをして、一段落ついた後、私が話し出すと、早速、佳与が口を開いた。
 「脈診とは別なんですか?」

 「脈診などで得られた情報を基にして、西洋医学で言えば病名にあたるものを決めていくんですが、それを証と呼んでいるんですよ。」
 「病名とは別なんですよね?」
 今度は茉奈だった。
 「病名というよりは、治療方針といったところでしょうね。
 東洋医学的な治療の柱は、どの経絡の気が虚していて、どの経絡に邪気が入っているか等を見つけて、虚した経絡には気を補って、邪気のある経絡からは邪気を取り除くというのが基本になりますので、それを決める訳で、その治療方針が証ということになるんですよね。」
 「じゃあー」
と、茉奈がノートに目を落としながら鋭い質問を投げ掛けてきた。
 「私の勝手な独学なんですが、例えば、食欲がないとか胃がもたれるなどという消化器系統の病は脾の変動、体がだるく節々が痛いのも脾の変動、色々と考え込んでしまい、不眠になっているのも脾の変動と考えられていて、これ、普通だと、内科とか整形外科とか心療内科とかというように別々のところに受診することになるんでしょうが、証として決める場合だと、脾の経絡を調えるみたいに、同じような治療になる場合もあるってことでしょうか?」
 「ほう、よく勉強されましたね。」
 私が言うと、佳与がキョトンとした顔を私に向けた。
 「佳与さん、心配しなくても、茉奈さんが言ったようなことはまた後から勉強しますからね。」
 私は佳与に笑って言ってから、証の決め方に話を進めた。
 「これは鍼灸の方の理論なんですが、〔虚したるは其の母を補え〕というのがありましてね、五行での母を補いなさいということになっていて、実際にそうした方が効果があるんですよね。」
 「母って何ですか?」
 佳与が訊ねた。
 「五行には、前に勉強しました相剋の関係以外に、相生関係というのがあってね、これを母子関係とも言い、木→火→土→金→水→木という具合に、木火土金水の順にエネルギーが伝わっていくという法則があるんですよ。
 ですから、並んだ二つの関係で言えば、先が母になり、後ろが子ということになるんです。」
 「すると、木と火なら、木が母で火が子になる訳ですね?」
 佳与の言葉に併せて私はホワイトボードに次のように書いた。
    


 母→子
肝木→心火
心火→脾土
脾土肺→金
肺金→腎水
腎水肝→木
    


 「で、虚したるは素の母を補えとは、例えば、脾が虚している場合は、脾は土に当たりますから、その母である火、つまり心を補いなさいということですか?」
と、茉奈がボードを見ながら言った。
 「まぁ、そんな感じなんですが、、その場合、心も虚していなければならないんですよね。」
 私が言うと、佳与が首を傾げて訊いてきた。
 「脾の母は心ですから、脾が虚の場合は心を補うんじゃないんですか?」
 私は五行の図を描いてから説明した。
*図を参照
 「脾が虚しているとしましょうか。
 すると、相剋関係にある腎は実になっています。
 さらに腎が実だと、その相剋の心は虚になり、虚の心から栄養をもらえない脾はますます虚していく訳で、この三角形のパターンの時に、治療方針としての証は〔脾虚証〕となって、脾自身も、その母である心も補うということになるんですね。」
 「何だか難しいんだけれど、脾が虚でも〔脾虚証〕にならない場合があるってことですか?」
 さすがの茉奈も首を捻った。
 「脾が虚なのに心が実だとしましょうか。
 すると、心の相剋である肺が虚になります。
 そして肺が虚ですから、その相剋にある肝は実になり、それが脾を虚していき、肺→肝→脾の三角形が出来上がり、その場合は脾は母で肺が子になりますよね?」
 「はい。」
 二人は同時に、しかしまだよくわからないというような声で返事をした。
 「ですから、脾臥弱い場合でも、心が弱くて脾虚証になる場合もあれば、肺が弱くて、肺虚証になる場合もあるってことなんです。」
 「そうか、だから、肺と心を比較して診たり、脾と肝を比較したりするんだ!」
 そう佳与が高い声を上げたが、まだ理解しているとは感じられなかった。
 「先生、確認なんですが…。」
と、茉奈が軽く手を挙げた。
 「ということは、証というのは、虚のところが二つ並んでいる時に、その子どもの方の名前を取って、何々証という具合に付けるということですか?」
 「そういうことになりますね。
 そして、最初にも言いましたが、証は治療方針ですから、脾虚証なら、脾経と心経をに気を補って、その相剋の腎の気を瀉すということになるんですね。」
 「私、五行の木火土金水と肝心脾肺腎をまだしっかり覚えていませんし、寸関尺の配当ですか、それもまだあやふやなので、帰ってからしっかりわかるノートを作ります。」
と、佳与が言った。
 「私もよ」
と、茉奈が佳与を労るように言った。
 「ここを乗り越えれば、後はラクですからね。」
 私は二人を安心させるように言葉を掛けて、二人の娘を送り出したのである。