公開当時CMで“全米を震撼させた”と言うよく聞くフレーズに、単純にも本気で観に行きたい!と思っていたにも関わらず、結局観に行けなくて後悔した作品。
そうです、
本日は此方の作品を観ました!
重すぎるストーリーにこんな事言うのもあれですが、凄く良かったです。
◆◆◆
ある夜、エンジニアのクライドは侵入してきた2人組の強盗に目の前で妻子を惨殺され、自らも瀕死の重傷を負う。
犯人はすぐに逮捕されるが、検事と主犯の男との司法取引によって犯人は極刑を免れてしまう。
10年後、クライドは出所してきた犯人を殺害し投獄されるが、彼の復讐はそれだけでは済まなかった…。
◆◆◆
最初は幸せな家庭が描かれているんですが、一瞬でその幸せな家庭が崩れます。
物語はそこから始まるんですが、最初から最後まで息つく暇もない程終始緊迫した雰囲気、目が離せない展開、悲しすぎる現実。
Gerard Butlerが主演の此方。
Butler演じるクライドは妻と娘を惨殺された事に対する復讐をする、と言うそんな単純な話ではありません。
司法取引で犯人の一人の罪が大幅に軽減されてしまうんですが、当時のクライドの力では何をする事も出来ない…と、まあ、詳しく言ってしまうとネタバレなるので言えませんが、これは社会に対するクライドの警鐘と言った感じですかね。
途中クライドは、当時の担当検事であるニックに「司法取引をしないで戦っていれば例え負けたとしても俺は良かった」(だったかな?)って言うように、ニックが自分のプライドとかかなぐり捨てて、敗訴するかも知れないリスクとか考えずに真っ向から戦っていれば、こんな事起きなかったのかも知れません。
だから、ニックが途中で「俺には妻も子供も居る」って言った時は、正直どの口が!と思いました。
後個人的に、最初の方ではクライドがちゃんと自分の信念を持って(と言うのも変な話ですが)、当時の司法取引に関わった人達を殺害していくんですが、後半に行くにつれてその信念とかの描かれ方が薄くなって来たのは、凄い残念に思いました。
だから、ラストもちょっと納得いかなかったかなあ。
※此処からは、ラストのネタバレを完全に含みます。
これから観る予定のある方の観覧は、御遠慮下さい。
もう既に作品を観た方、ネタバレを知っても気にしない方以外は御覧にならないで下さい。
此処から下は“完全なネタバレ”になります。
さて、此処からは忠告させて頂いた通りラストのネタバレ含む感想になります。
上でも触れた通り、後半に進むにつれてクライドの信念の描かれ方が薄れてしまったのは、非常に残念です。周りも、ただの連続殺人犯みたいな感じで警戒して。
途中ニックが「奴は無関係な人間は殺しません」って市長に言うんですが、結局当時の裁判に関係ない警察や検事局の人も殺害されてるし。
後、最後の方まで実はクライドには共犯者が居るんじゃないかって匂わせる感じは良かったですが、ラストあのままクライドがただ死んじゃったのは納得いかなかったかなあ。
ニックは別に自分の考えを改める訳もないし、別にこの事件を切っ掛けに法が改訂されたりとかもなし。
どうせなら、クライドと共にニックも爆発に巻き込まれるとかして、自分のあの時の行動はもしかすると間違いだったんじゃないかとか、ニックが後悔とかすれば良かったんじゃないかなあと思うのは、私だけですかね?
あそこまで凄く良かったのに、ラストにクライドだけ爆発で死んで、結局今までクライドは何の為に関係者を殺害して来たのか。
ニックに「復讐する為か」と問われて怒りを露にしたクライドですが、あれじゃあ復讐する為に罪を犯して最後は自業自得みたいな感じがなあ。結局何も変わらずに終わってしまった様な気がします。
凄く良かったし、最初から最後までドキドキしながら観ていましたが、終わり方だけちょっと納得がいきませんでした。
あ、後凄くどうでもいい話かも知れませんが、クライドの亡くなった娘さんが作ったDADDYと付いたブレスレットが出る度、つい泣いてしまいました。
毎回良い感じのタイミングで画面に出るのがね、グッと来ました。あれはキツイです。
警察に手錠をかけられた瞬間とか、ホントね。涙が。