塵 月 抄

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〇私は少し苦手ですが、綺麗な言葉を置くのですね。綺麗事は嫌いなんです。でも、唄とか、詩とか、詞とか、そういうのは好きなんです。 堂々と言葉を書き連ねる貴方の、その世界観は好きです。 言いたい事だけ云いました。笑 また訪れます。(08/19 20:26)

>>メッセージ有難う御座います。
ほんとに、綺麗事ばかりで頭が上がりませんが、少しでも自分の言葉の世界観を気に入っていただけて頂けてうれしいです。
似たようなものばかりで恐縮ですが、また来ていただけると嬉しいです。

流線

軋むからだ




頭から爪先まで




制御の効かぬ




痛点などとうに




越えてしまったような























眼が見えない




先を知るすべは




この手で触れるしかない


























声が出ない




気息は荒く




久遠にさ迷う


























蒙昧に堕ちた




心臓は高鳴り




疎外を繰り返す




禁忌の涙




波打ち際で




舞う































震えが止まらぬ手で




書いた恋文を




青い




硝子の瓶に詰めて




海に流す































文面はいつも同じく




君へ向ける未熟なうた




























その白い指で




いつになれば




気付いて拾ってくれるだろう































ただ




割れた硝子の破片で




傷付けてしまうのなら




そっとそこに




置いたままも構わない






























波が寄せては引き




いつかは




砂の奥深くへ




埋まってしまうだろう




























そして君は




忘れてゆく




日々を重ねて




その微笑みが




少しずつ




掻き消してゆくのだろう


































届かぬ音の無い悲鳴








私は声を涸らして








沈んでゆく








青い硝子の瓶を抱えて








青い海の底

世界の始まり

この果てのない




緩く続く




丘を息を切らさずに




登ってゆく


















絶え間無い




光芒に導かれ




怒りを捨て




憤りを置いて




少しでも身を軽くして




捨て難い




その他の感情を




この空になった




躯に詰めて

























誰もが諦めてしまうような




そんな難解な迷路を




大したことではないと




気張るのではなくて















普通に迷い




普通に立ち止まりながら




進みたい






















信じるべきものが




この眼に映らなくても




たじろぐ必要はない




信じるべきものを




見る眼をまず信じること




















そうして




褪せることなく




鮮やかに澄んだ




景色を求め




辿り着いた先














空が視界の殆どを占めたとき




私を放つ




























今まで感じていた




口の渇きは




その瞬間に消え




あまりに茫漠に続く




空の広さに




戸惑いながらも




この小さな存在の




意義を知る


























日々は流れて








変化して








それが進化か退化なのか








分からなくとも








"変わる"という事象に








違いはないと








そう思えたなら








まだ先に進む








価値はあるのだろう