Maniacer's Spiral (R)

「ごめんなさい、待ちました？」
「あっ。いえ、今来ました。それじゃあ、中入りましょうか」

　読みかけの本には栞を挟んで。待ち合わせ場所にやってきた彼女と一緒に建物の中に。まあ、建物と言ってもファミレスだし、彼女と言っても恋愛関係にある彼女ではない。

「それで、朝霞クンの本題ってなんだっけ」
「卒論執筆の一環で、いろんな人に話を聞くフィールドワークっていう体です。本日はよろしくお願いします」
「お願いします」