最近は、図書館に籠ることが増えた。大学の図書館のこともあれば、大学近くの図書館のこともある。そんでもって星港市の図書館のこともある。今日は緑大の図書館だ。緑大の図書館には、自習用の個室がある。その個室を借り切ってひたすら勉強に次ぐ勉強。
手元に置いておきたい本を探して、それっぽいコーナーへ。足の裏で、ここが図書館であることを改めて思う。これはカーペットと言うのか、絨毯と言うのか。コロコロか掃除機で掃除をするのが適した布地の床。わざとバタバタ歩かない限り、足音は吸収される。
「よし、見つけ――」
一冊の本に手を伸ばした瞬間、手と手がぶつかる。驚いて、別の手の主の方をチラリと見れば。
……見なかったことにしよう。幸い奴の手は引っ込んでいる。隙を見せた方がわりィっつーことだ。目的の本を手にすれば、本棚に用はない。個室に戻るだけだ。
今日はユキちゃんとお出掛け。さとちゃん先輩とユキちゃんの友達がハンドメイド展で作品を売ってるっていうから楽しそうだなーと思って。ぐるぐるーって回ってると、福井先輩もブースを出していたみたくてひゃーって。びっくりしたー。次のバイトで林原さんに話してみよーっと。
いろいろ回ってちょっと疲れたから、その辺のカフェでちょっと休憩。買った物をテーブルの上が汚らしくならない程度に広げて戦利品チェック。うーん、思ったより買っちゃったなあ。でもしょうがないよね、どれもこれも魅力的に映って納得して買ったんだからよし!
「いろいろ買っちゃった」
「ミドリそのメガネケースいいね、木のいい匂いしそう」
「うん、やっぱり木材って好きだな。ユキちゃんもアクセサリーいいのいっぱいあって良かったね」
「こういうところで出会う物って一点物だし、二度と出会えない可能性の方が高いからね」