不健康ランド

借りたDVDの２本目は「MONSTERZ」でした。
人間を操る特殊な眼を持った青年(藤原竜也)と、そんな彼が唯一操れない、人間離れした生命力を持つ青年(山田孝之)が出合ってなんやかんや……
と云う…えー……ジャンルは何でしょうかこれ。サスペンス？アクション？
マァそんな映画です(ふんわり)。




劇場予告で氣に成りつつもスルーし、レンタルも何だか見送っていたこちら。
TSUTAYAさんのレンタルランキングも上位ですし、最惡主演二人の演技で満足するだろうし……とチョイスしてみた次第です。

ところがどっこい(古)！

なにこれー！
めためたたのしー！！
けんこーさんのツボをくすぐる面白さ！！！




物凄くテンションが上がりました。
そのテンションでレビューを読み漁ったら、散々な評価でした。
……知ってた。
けんこーさんの興奮ポイントが世間から解離しているその事実、知ってた。



仕方無いので興奮ポイントを自分の為に熟々。





パッケージがクールな割りに、中身はざらざらの懐かし映像でした＼(^o^)／
けんこーさんの大好きなフィルム感＆嵌め込み映像！
古めかしい撮り方と藤原＆山田コンビの暑苦しさが既に面白いです(笑)。


藤原竜也さんが無敵なサイコさんキャラかと思いきや、「哀しきモンスター」的な扱いで吃驚しました。
誰も人間扱いしないし、そもそも隠れて生きている。
しかも能力を使う度に身体が壊死してゆくハンデ付き。
なのに「操れない人間」を偶々見付けたことでパニックに陥り、ストーカーに成るわ能力使いまくるわで、正に「哀しきモンスター」。

対して山田孝之さんの頑丈さは笑っていいのかいっそホラーなのか真面目に「モンスター」として受け止めればいいのか迷います。
友人が「ヲタクとオカマ」しかいないって、その設定もなんでだよ、と。
しかも２人ともキャラが濃いからワケわかんないことに成っております。
何をする訳でもないのに。
寧ろ何かするフラグだったのに何もしなかったのに。



有り得ない状況のオンパレードを大真面目にやっており、且つ登場人物全員の頭が大変惡いので、シュールコメディに見えてくる不思議さよ。
ストーリィは特に無く、キャラクタ(設定)ありきで進む感は否めないのですが、
それを凄く凄く真面目に撮っていらっしゃるんです。
でもその真面目さが、ちょっとオカシイと云いますか真面目さ故に滲み出る妙な空氣感がですね……



いやぁ、シュールだなぁ。
そしてコメディだなぁ。




途中から楽し過ぎて「監督誰だろう！」とそわそわしっぱなしでした。
観たら中田秀夫監督、まさかのホラーでした。
そうか、ホラーの監督だからこう成っちゃうのか！
中田作品は余り拝見していないのですが、インシテミルとかえるちぇんとかこんなワクワクしなかった記憶が……。
貞子を観直せばこのワクワクを感じられるのでしょうか。
(余りホラーは観ませんが)こんなにオモチロイならば他作品も氣に成る……！
クロユリ団地も確か
「詰まらなくは無いがホラーじゃない……！」
と云われていたし、同じオモチロさなのかもしれない！




兎に角、コメディとして大興奮させていただきました。
旧き佳き漫画を読んだような感覚も残りました。
藤原竜也さんが終始可愛かったです(顔が)。
石原さとみさんよりも木村多江さんが光っておりました。
そして川井憲次さんの劇的な音楽、素晴らしかったです。





子供の頃から信頼していた刑事さんが実は自分を「化け物」と呼び監視していた

なんて、善人な主人公(山田)からしたら結構な鬱展開だろうにあっさり流すちぐはぐさ、大好きです。

あっさり「眼が特殊」と見破りつつも「眼を潰せ！」では無く
「ライトと暗闇で対抗だッ☆」に落ち着く優しい(無能な)世界、大好きです。








おしまい。