【A:芳晴】
何時も通り「一姫×太郎」コンビにしようかと思いましたが余りに芸が無いので「普段キレない奴にしよう」とチョイスしたところなんだかコレチガウな仕上がりに成りました(ワンブレス)。
ЖЖЖ
全てが匣の中にちよこんと列べられた模型のやうで、整然としてゐた。
圧倒的な物量で以て征圧された庭は、生氣を押さえ込まれた哀しひ人形のやうだった。
しとしとと。
春雨に馨る中途の昊は、生温く易しひ。甘やかした神経は何處迄も依存を強請つた。
のびやかにかろやかにすこやかにいきる、と云ふ芽吹きこそが己であつたと自惚れ。
美しひ指に脊を押され、駆け抜けた末にみた未熟者。
繰り返してゐる。
何度も何度も。
其の都度氣ははやるが、結果は常に不動であつた。
夢内に於ひて尚。
夢内に於ひてすら、尚だ。
いつその事、此之身を貫く程の篠突く雨に撃たれればよかつた。
しかし想ひ出は常時甘く、氣怠い迄の絹の如き細雨と青天のみで。
何を嘆けばよひのか。
何を泣けばよひのか。
繰り返しの問答に答えを見出だせぬ儘幾度の季節を看送つた。
變はらぬ右側を眺めてみても、瞼の裏の穏やかな庭を想つてみても、畳み掛ける明日に追ひ付けぬ儘にされども曖昧に流される日々を漂ふだけ。
鮮明に華やぐ其之聲は何時迄経つても薄れる日は無ひ。
其之聲は、
其之聲は、
其之聲は。
しかし何故だらう。
(貴方の最期の貌だけが、だうしても上手く思ひ出せなひのだ)
『昊知らぬ、蛙』
本当は、何も知らなひ愚か者。