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『芝浜』

 また三時頃に起きた(笑)。早く寝ようと思いながら、執筆に夢中になると止まらないのである。途中でやめたら、考えた文章が寝て起きたら泡のように消えてしまうから、書き始めたら最後まで書かないとダメなのだ。

 十一月ももうあと一週間。年末になると故立川談志の落語『芝浜』を思い出す。談志の渾身最高傑作といわれたこの噺(はなし)は、古典落語の人情噺で、とても温かくてちょっと泣ける。
 『芝浜』のストーリーを軽く説明すると、酒浸りの男が芝浜で大金が入っている財布を拾う。しかし拾ったはずの財布がなくなっている。妻の言葉により「財布を拾った」のは夢であったと諦める。男は改心する。懸命に働き、独立して自分の店を構えるまでに出世する。後に妻から実は、妻があの財布を隠していたというのが事の真相であった。
 大晦日を迎えたある日の、夫婦の愛情をこれほど暖かく描いた落語はないんじゃないかな。談志さんは病に苦しみながら、命がけでこの噺を何度も何度も演じた。切ない噺なのに笑う観客を怒鳴り付けたこともあるくらい、大切にしていた演目。確かに笑う噺ではない。むしろ惨めな男の姿と、しっかりものの女の愛情ある眼差しで胸が熱くなる。
 一度でいいから生で談志さんの『芝浜』を聞いてみたかったが、チケットは一瞬にして完売してしまうほどだった。そんな矢先にお亡くなりになり、残念だけどCDやDVDで観ている。何度聴いても飽きないのは談志さんの演技が素晴らしいからに他ならない。これほどの天才はもう出てこないのではないだろうか。

立川談志『芝浜』
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地 域 福島県
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