あと半月も経てば終戦記念日。テレビは今年も戦争ドラマや映画が放送される。二度と繰り返さないよう、どんなに悲しい出来事だったかを教えてくれる。

 CSのチャンネルNECOで映画『花の特攻隊あゝ戦友よ』を観た。
 昭和18年。戦局はすでに日本の敗戦の様相を感じてきた。父の戦死の報をうけた浜村真吉(杉良太郎)は母や恋人の三保(和泉雅子)を残し、学友の田川(三ツ木清隆)や内藤(藤竜也)とともに土浦の海軍航空隊に志願。土浦での厳しい訓練のなか、田川が練習機で墜落死した。やがて、 同期の小野(沖雅也)ら仲間たちが特攻隊として飛んでいった。浜村は練習機で大怪我をし、一足遅れて出撃する。

 私がこの作品を観たのは二度目で、86年の夏休みに観たはず。土曜日の午後に放送され沖雅也≠フ文字だけで観た。両親が養蚕の仕事の休憩で桑畑から戻ったときで「別のチャンネル回せ!」と嫌がられた。両親は少年少女時代が戦争真っ只中だったから戦争ものは嫌いなのだ。私が戦争映画は多分その時が初めてで古い作品だったけど、沖様が可愛らしくてね。特攻隊の中ではコケティッシュで冗談を言ったり笑ったり、ムードメーカーの役。杉様より若い隊員だから、深く考えないのか、それとも覚悟したからなのか、自作の句をみんなに披露して笑わせたりと明るいのである。
 1970年だから、デビュー一、二年目の頃。まだ幼さが漂う沖様は16、7歳ぐらいか。お芝居も既に後の演技に通じるような確立されている。特攻機に割と早く乗ってしまう。あとは主演の杉様の苦悩や出撃を悲しげに描いているだけなので、私は二十数年ぶりに観た沖様のお姿を見終えたら観るのをやめてしまった。
 86年の夏休み、この作品を観たあと熱を出した。それ以来、トラウマになっていた。こういう映画は本当に苦手。若くして逝った兵士の姿が映っていたりするし、怖くてダメだ。戦争は本当に残酷。絶対に繰り返してはならない。