HERE TODAY DIARY Season2

　雪がまったく溶ける気配がないので、雨乞いを始めた(笑)。我が家の池も水が渇れかけてるのがわかったからだ。池の水が渇れると井戸の水が渇れる目安になっている。毎年二月は水が足りなくなりそうでハラハラするので、何とか一時でいいから暖かくなってもらいたい。とはいえ、寒波はまだまだ続くという(笑)。

　若干貧血ぎみで、家で大人しくしていた。ゆっくり起きたのだが、夢の中でチャンが髭でスリスリしてきた感触がいつまでも残っていた(笑)。実際の彼は綺麗に剃ってあって、つるつるした肌なのに。子どもにやるみたいにわざとやるのが、亡き父のようで面白かった。

　大好きな向田邦子の本をこの頃また読み返しているのだが、“見た目が良い”を“様子が良い”と表現しているのが、いかにも彼女らしくて好きである。スタンダードな日本語がそこにはあり、忘れ去られた表現が今読むと美しいし、粋である。
　“粋(いき)”という本来の意味は元々、その人の気持ちや身なりがさっぱりしていて垢抜けしていること。そして色気を持っていることのが本当の粋な人。向田邦子という人は、まさにそんな人だったのではと思っている。
　色気のある人というのは、いかにもいやらしいという意味ではない。ふと見せる女らしさや男らしさをいう。そんな人は他者を簡単に惹き付けてしまう。向田作品にあった(下品なエロスにはない)背徳感は、彼女のそんなところから湧いてきたのだろう。誰かを妬まず、不満を口にせず、何事にもスマートにできる。私はそんな人になりたい。