HERE TODAY DIARY Season2

　冷たい風が吹くなかゴミ燃やしをしていたら、庭の斜面がドドドーッと音を立てて雪が下へ落ちた。雪崩が起きるくらいだから、少し暖かくなっているのかも。しかし池には分厚い氷が張っている。魚たちはどうしているのか。


　久しぶりに映画を観た。『かもめ食堂』の荻上直子監督『トイレット』。
　研究室に勤務プラモデルオタクのレイ(アレックス・ハウス)、パニック障害で四年も引きこもりのピアニスト・モーリー(デビッド・レンドル)、女子大生のリサ(タチアナ・マズラニー)の三兄妹と猫のセンセーは、それぞれマイペースに暮らしていた。ある日、母親が亡くなる。亡くなる前に母親が呼び寄せた日本人の祖母ばーちゃん(もたいまさこ)は英語が話せず無口。謎のばーちゃんとの交流により、家族の絆を強くする。
　いやー久しぶりに面白い作品に出会った。『バーバー吉野』『かもめ食堂』が最高に面白かった荻上直子監督の作品だから、またシュールだけど癒されるのだろうなあと思って観たらやっぱり(笑)。ばーちゃんに英語が通じないのなら、誰か日本語が話せる人を探すなりすればいいものの、そのまま一方的に話しかける孫たち。そんな状態でもばーちゃんは何となくわかるようで、だんだんと仲良くなっていく。ばーちゃんが餃子を作ってやると「ママもよく作ってくれた」と喜び、今度はみんなで餃子を作る。ばーちゃんはいつしか家族の中心になっているのだった。
　“みんな、ホントウの自分でおやんなさい”というこの作品のメッセージが観たあと、じわじわと染みてくる。とても変わった家族を傍観しているだけなのに、孫になったみたいにばーちゃんを心配してしまう自分に笑った(笑)。しかし、もたいさんの存在感、お芝居の上手さには毎度のことながら素晴らしい。まだお若いのに、あんなに大きな孫がいる役をしているのも面白い。『かもめ食堂』がお好きな方はぜひお勧めしたい作品。
「モーリー、クール」の場面大好き！

予告編 www.youtube.com