東北から北はすっかり秋なのだが、関東から南はまだ夏が残っているのね。
私は暑い季節は終わったと安心しているけど、秋は短い。すぐ冬が来てしまう。雪の季節はこれまた大変なのだが、猛暑に比べたらずっといいと思っている。
猪苗代湖に白鳥が飛来したニュースを観た。気がつけば十月。まもなく冬支度の季節だ。
仮設住宅から自宅へ帰る方の見送りに行ってきた。(今まで見送ったご家族と同じように)ご一家のなんと輝かしい笑顔!自分の家に帰ることの喜びは、何よりの幸せなのだ。こんなシンプルな幸せを満面の笑顔で喜び合うのには、震災からの命がけの避難生活からの解放であり、再生への希望が湧いてきたのだろう。帰還されてからもまだしばらく大変だろうけど、本当によかったですな。帰れない人たちがまだまだ数万人いらっしゃる。その中には帰らないと決めた方々も…。福島県民の一人一人に、あの日からのドラマがある。語り尽くせない悲しみや混乱は、未だ現在進行形。
福島第一原発事故によって反原発のデモが都心で行われているそうだけど、あの中には本物の福島県民はいない。福島県民はもちろん原発は反対だし、出来ることならば無くしてほしいと思ってはいるが、上手く言えないがデモの人たちのような考えとは違う。リアルな福島をあまりにも知らなすぎている。
あの中には福島に対して差別的な考えを持っている方も大勢おられていることに、私を含めて傷ついて心を痛めている人がたくさんいる。
そこで福島人としての誇りを失ってしまった人たちがいることを知っていてもらいたいと思って、私は全国の新聞にこういうことを書いているのだが、編集部からお手紙がたくさん寄せられ、私の元に送られてくる。「瓦礫受け入れを反対していたが、明日はわが身。痛みを引き受けよう」「福島の人たちが静かに耐えている姿に元気をもらった」など、色々だけど私のコラムを受け止めてもらえただけで有りがたい。
世の中が震災や原発事故の関心が薄れていたとしても、苦しんでいる方々は明日さえも見えないで暮らしていることには変わりないのだ。政治に期待できない日本だからこそ、声をあげる人たちが味方になってくれなくちゃ!私はそう思うのである。
拍手ありがとうございました
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