昨日は物凄い嵐だったが、今日は一転してよく晴れ、穏やかさが戻ってきたが庭に散らばる落ち葉や枝が、昨日の痕跡を物語る。
体に倦怠感があり寝坊して起きたら、母の三回忌を前に姉たちが準備に忙しく動いていた。住職へ渡すお土産の野菜まで用意してくれて、もういつ向かってもいいように完璧な状態にしてくれた。明日は朝からお寺へ向かうので、本当に有りがたい。母の法要を賑やかに、そして無事執り行えることを祈るばかりだ。
何となくだけど、母が帰ってきている気がする。母の匂いが家のあちこちでするのだ。母の優しさに甘えてばかりいた私だっけれど、母の目に少しは成長して見えているだろうか。
昨夜観た作品は『ヴァイブレータ』(2003年)
雪が舞う寒い夜のコンビニ。31歳のルポライター・早川玲(寺島しのぶ)が酒を買いに入った。彼女は頭の中で聞こえる“声”の存在に悩まされ、不眠、過食、食べ吐きを繰り返していた。コンビニで長靴を履いた釣り人のような出で立ちの男(大森南朋)に目に留め、二人は目を合わせた。その男は岡部希寿。長距離トラックの運転手。玲は彼の後を追い、トラックに乗り込み一緒に酒を飲み始める。ぎこちない二人だったが、アイドリングの振動のように抱き合う。朝になり、一度はトラックを降りた玲だったが再び乗り込む。トラックは、東京から新潟へ向けて走り出していく…。
赤坂真理の話題を集めた小説を映画化したものです。コンビニで視線を交わした二人があまり躊躇せずにトラックの密室で過ごすことに、まずは驚きましたね。玲は孤独感や虚無感に襲われ、彼の体に触れたいと思うのです。人肌に触れることで安心や安らぎが得ることが出来ることを彼女は知っているからに他なりません。運転手は饒舌に自分がたりを始めます。自分の知らない世界を語るこの男に惹かれ、渇きを満たしていくんです。この大森南朋が演じる男の怪しい過去とは裏腹に、傷ついた玲を全身で受け止める包容力!これは全女性の理想な男性でしょう。ラブホテルの浴室で優しくお湯をかけてあげる仕草、バスタブでギュッと抱きしめる優しさに惚れないわけがない(笑)。身も心も憔悴しきった自分を全身で受け止め、無償の愛で包み込んでくれるのですから…。玲の心の声の字幕で「この人が優しいのは感情じゃなく本能だよ」とあるのですが、まさにそのとおり。彼女は彼によって再生、ポジティヴに覚醒していく。しかし、寺島しのぶの女優魂は本当に素晴らしい!今人気の若い女優さんたちはここまで演じることができないと思いますね。気に入った。DVD買っちゃいそう!(笑)
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