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『鬼龍院花子の生涯』(1980年)

 期日前投票に行ってこようかなと思ったが、頭が痛く気が乗らないから行かなかった。先週から福島は低温で肌寒い。この寒さは当分続き、梅雨明けの兆しはないとのこと。この寒さが続いたら今年の桃はどうなっちゃうんだろうか?風邪ひきそう。

 さて、久しぶりに映画レビュー書いてみようかな。大好きな五社英雄監督の『鬼龍院花子の生涯』。友近とならこの映画の話を一晩中できそうだといつも思う(笑)。もう数え切れないほど観たから熱くなりそうだけど、まあ気にしないで!!(笑)

 明治の終わりの高知・土佐。幼い松恵(仙道敦子)が、鬼龍院一家として興行界を握っている林田恒吉(鬼龍院政五郎。通称・鬼政 仲代達矢)の養女として幼い弟とともに半ば強引に連れてこられた。鬼龍院家はたくさんの子分と使用人で切り盛りされていた。弟は怖くなり脱走。松恵は一人残り、鬼龍院の娘として育っていく。鬼政の子分や妾たちに可愛がられていたが、妾のつる(佳那晃子)との間に待望の実子の花子を得たあたりから鬼龍院一家の陽が傾いていく。成長した松恵(夏目雅子)は小学校の教員になったが、鬼政から度々呼び出され雑務をこなしていく。時代の波が押し寄せ、鬼龍院一家の勢いは失われていく。

 さて、この『鬼龍院花子の生涯』は原作者宮尾登美子の父親が土佐の花街で置屋の紹介人をしていて、日記により書かれてあったお金を借りに来る親分をモデルにした実話だそうだ。登場人物に直接取材し、事実をそのままにこと細かく描いたのだとか。五社英雄監督は原作をリアルに再現することに成功。

 監督自身は短銃法違反で逮捕されフジテレビを退社したばかり。当時は妻がホスト通いで二億円もの借金を作ったり、愛娘が交通事故で生死をさまようなど人生が破滅寸前であったと、のちの愛娘五社巴さんによる手記『さよならだけが人生さ』で明かされている。すってんてんの絶望のなか制作されたこの『鬼龍院花子の生涯』。夏目雅子さんは鬼龍院花子だとよく間違われるが、鬼政の実の娘が花子。演じていたのは新人の高杉かおりさんという方。この方は調べてもこの作品以外に出演作品はない。劇中、目立ったセリフもなくただいるだけの役だった。
 それから、鬼政の正妻・うたとして出てくる岩下志麻姐さんも気高く睨みを伐らせつつフェロモンたっぷり。敵対する末永組の組長の妻役に夏木マリさんが出てきて、これまた格好いいし見事な脱ぎっぷりを見せている。いい女がたくさん出てくるのも五社英雄作品ならでは。

 ちなみに『鬼龍院花子の生涯』は海外でもヒットして『ONIMASA』というタイトルで公開。数年前、ニューヨークで伊丹十三監督作品がリバイバル公開された頃、五社英雄監督作品もリバイバル上映されたようだ。
 私が五社英雄監督の作品が好きなのは、男の人は男らしく、女の人は女らしく描かれているからである。綺麗事でまとめず、人間の業を時に荒々しく描き、時代の荒波に翻弄されず力強く生きる姿を描かれている。欲望や哀しみをむき出しにして激しく生きる姿は今の邦画にはないから引きつける。
 あっ、出演者の中に「役所広司」と「梅宮辰夫」の名前がクレジットされているが、最近ようやく役所広司さんを見つけた。土佐電鉄労働組合の組合員役でストライキを止めに来た鬼政にボコボコにされる役だった(笑)。わずか数秒。チョイ役。無名塾の仲代達矢御大のお弟子さんだった役所さんの若き日の姿だった。一方、梅宮辰夫さんは何十回見ても見つからない。組長役らしいが(笑)。







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