秋のそよ風は爽やかだけど冷たい。ひんやりしていながら鼻につんとくる感じが一年ぶりに懐かしく思う。
今日は母の実家の従兄弟と伯母が来てくれた。この伯母は母にとって義姉にあたる。彼女は90歳ぐらいになるが毎日の晩酌は欠かさないし、きちんと家事もこなし、腰が曲がっている以外はいたって健康。
伯母は二度結婚している。最初の結婚をした直後、第二次世界大戦が始まり夫が海軍へ出兵。そして戦死した。その報せは電報で届き、「戦死シス」とだけ書いてあったそうな。
ひとり取り残された彼女は周囲の勧めで夫の弟と結婚。義弟と結婚することに抵抗はなかったの?と伯母に尋ねたら、しばらく考えさせてほしいと時間をもらい、やはり随分悩んだそうだ。二度目の相手からは「姉さんが自分でいいなら構わない…」と、お互い納得してから一緒になったとか。今じゃ考えられない話である。
最初の夫とは短い結婚生活だったため子どもがいなかったが、二度目の夫との間には五人の子どもが授かった。そのうち三人の息子がマラソン選手として活躍した。私が生まれる前のことだから詳しくは知らなかったけど、箱根駅伝や青東駅伝で走っていたらしい。
伯母の戦中戦後話のあと、従兄弟は自慢げに箱根駅伝の裏話をたっぷり語りながら、私が作ったお煮しめを「すごく美味しい!」と何度も御代わりした(笑)。しかもお昼ご飯を食べてきたばかりだと言うのに。
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