『静かの海のパライソ』の愚痴です。
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パライソが最高だったから知り合いの家で一緒に配信を見たんですよ。見ているあいだ頑張って静かにしていて、「これは何?」と聞かれたらちょっと説明するくらいにしていたんですが、わりと序盤のほうから知り合いが「宗教ってこわい」しか言わなくて、最後まで「豊前かっこいい」と「宗教こわい」という感想しかなくて、ほんとうに悲しかった。
日本人と宗教の食べ合わせの悪さってなんだろう。
あと2.5だからクオリティが低いと決めつけられている感じもした。
私はパライソの第一印象では、古典的なミュージカル表現がいいなと思って、その良さを共有したかったんですよ。歌が上手じゃないひとも確かにいるし、刀ミュの中で友人にすすめられる舞台が少ないのは事実だと思う。でもパライソは大丈夫かと思ってしまったんだよね。
三人で見ていて、一人はミュージカル好き(来日公演を中心に観劇するひと)と、もう一人は刀剣乱舞を村雲江まで所持してる元プレイヤーだから、けっこう大丈夫かと思っていた私も悪いんだけど。でも2.5はじめてではなく、他の舞台とか配信を見ているうえで、そこまで嫌がってなさそうだったからさ、楽しんでくれるかと期待しちゃった。
ミュージカル好きの方のひとは、途中で部屋を出てったりして、鶴丸の三万七千の人生を聞いてないし、元プレイヤーは「宗教こわい」しか言わないし。
宗教こわいにしても、僧侶を惨殺したりするところ以降ならまだわかるけど、神の子あたりからこわいって言ってて、なんなんだ。しかもそのひとに初詣とか誘われて行ったこともあるのに。
このミュージカルを見てこわいと思うとしたら、宗教を笠に着た集団暴力のことであって、宗教そのものはむしろ人を救い得るというのが脚本の意図だと思ったのだけど。その辺は気をつかってるというか、宗教を悪く描き過ぎないよう良い面を残してるように思えたんだけど。私だけですか、そう感じたのは。このミュージカルは「宗教こわい」の物語ですか? 私は違うと思ったよ。
パライソのソロとかデュエットの置き方、照明の使い方、同じ歌をリプライズで歌詞を変えて歌うところ、心象風景のような抽象的な表現、歌や音楽によって人の心情やその変化を表現しようとする取り組みがよくて、歌も上手なひともいて聞くに耐えないってほどじゃなかった。
それを「宗教こわい」の感想しか聞けなくてほんとに悲しい。
それだけですか?
そうですか……。
私はパライソの嫌だったところは、弟だけ助けて「大丈夫!」とか言うところ、鶴丸と右衛門作が話すとき三日月の存在がぐいぐい来たところ、石切丸のこと触れすぎて何?ってなるところ、もののべ?のところ、ぐらいだったから、そこはなんか言われて何も弁明できなかったんだけど、まさか宗教こわいに集約されてしまうとは。何も伝わらないもんなんだな。
ミュージカル好きの人も、右衛門作の二回目の子守唄(「ばってん消えた消えてしもうた」)のところと、三万七千の人生で席を立ってて聞いてないし、全然関係ない雑談してて鶴丸の無常の風とかも歌詞よく聞いてなさそうだったし、付き合いの長い知り合いにこれほど幻滅させられたのも、なんか期待してた自分も何もかもが残念です。
はあ、残念でした。
残念。おしまい。