HERE TODAY DIARY Season2

　久しぶりにまとまった雨が降った。外出中にいきなり降ってきて、ワイパーが利かなくて運転するのが怖かった。しかし全然涼しくならず蒸し暑い。帰宅したらミニチッチがずぶ濡れで、餌をもらいたくて待っていた。

　テレビをつけたら、パンダの交尾映像ばかり。放送して大丈夫なのだろうか(笑)。シンシンが妊娠の兆候があるとニュースで伝えられたばかりだったのに、出産はあっという間だった。交尾からなんと１０２日で出産したという。しかも非常に安産。パンダは双子が産まれる可能性が５１％あるというが、シンシンの赤ちゃんは一頭だけだったようだ。
　２４年ぶりに日本でパンダが誕生したが、赤ちゃんは二年後に中国へ渡さなければならないという。そういえば、シンシンたちも十年という約束で借りてたんだった。どうしてプレゼントしてくれなかったかは、大人の都合でいろいろあるからね…うーん。
　パンダといえば小さい頃、世田谷にあった国立小児病院に通院してて、診察が終わると当時都内でコックの修行をしていた三番目の兄が上野動物園に連れてってくれた。その頃は確かカンカンだったかリンリンだったか、田中角栄が中国と国交を結ぶようにして中国から最初に頂いたパンダがいた。当時は長い長い行列のなか、一瞬でしか見れなくて、私は父におんぶされながらパンダさんに会った。どうしてパンダは熊なのに白黒なんだろうと不思議でしょうがなかった。パンダのぬいぐるみを買ってもらい、枕元で眺めてから眠っていた。
　中学生まで年に二回上京し、通院していたが、小学生の頃は一年に一回は上野動物園。もう一回は当時高層ビルで話題なシャンシャインシティ、あとは原宿にも連れていってもらった。あの頃は病院に行くたび、手術されるのではと怯えていたから、ごほうびで色々なところに連れて行ってくれたのだろう。
　思えば、上京するたびに大金を使っていた。私も早く普通の人みたいに歩けるようにならなくちゃという思いでいっぱいだった。初めは爪先で歩いていたのが踵をつけて歩けるようになったのは、あの病院で出会った村上博士のおかげ。右手は全く動かなかったのが、物を掴むことが出来るようになった。
　あの頃の私を勇気づけてくれたのは、パンダのおかげかもしれない。診察を頑張ればパンダさんに会えるとワクワクしたあの頃が、懐かしい。




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