カ「ん…?」

レン「……」

カ「…どした?」

レン「…理由は無いんだけど…なんか、ね…」

カ「…そうか…まぁ、そういう時もあるだろ」

カ「泣ける時は泣いた方が良い…。特に若いうち、感性が鋭い内はな。
泣くことは感情の発露だから抑えてると決壊した時、心が溺れてしまう」

レン「無理は…してるつもりは無いよ?」

カ「本人はそう思っていても周りは分かるもんだよ…微妙な表情や言葉とかに表れているもんさ。
普段のお前は元気モンだから自分でも気づいてないだろうが、心は徐々に歪みが生まれていく。地震と同じだ。突然ポキッといくとその分反動もでかい」

レン「…そう…かな?」

カ「無理しすぎるなよ?頼れる人がいれば頼れ。人が抱えられることなんて、たかが知れてる」
レン「…うん」

カ「…それとな。子供の内は泣いとけ。どうせ大人になったら嫌でも泣けなくなるときが増える。我慢するな。感動した時、悔しい時、悲しい時、怒った時…な」

(ポンポン)

レン「子供扱い」
カ「するんだよ。実際、子供だろうが」

レン「ズルいなぁ…こんな時だけ大人の振りする…なんて」

カ「…冷えるからな…泣き止んだら、寝ろよ?」

レン「…うん」