▼タテハに船内を案内しているノエル。船長室、甲板を経て、船の船尾の奥、機関室にやってきた!
ノエル「船の動力、機関室だよー!」
タテハ「帆船なのに機械使ってるの?」
ノエル「えっとねー、風のないときとか嵐のときとか、帆を張れないときに使うんだって」
タテハ「へえー。風だけで航海は難しいのかねぇ」
ノエル「あ、ネスくん!」
ネスカ「ん、ノエル……と」
タテハ「タテハちゃんですよー?君はさっきいたロング赤毛くんじゃない」
ネスカ「プッタネスカ」
ノエル「ネスくんは、ネスくんとかネスカって呼ばれてるよ!」
タテハ「ネスくんね……じゃあプッタンで!」
ネスカ「……じゃあって接続詞おかしくない?なに、プッタンって」
タテハ「みんなと同じ呼びなんてつまらないじゃない!独自につけてあげたの!」
ネスカ「拒否する(キリッ)」
タテハ「私が許可する(ドヤァ)」
ネスカ「……。」
タテハ「……。」
ノエル「うわあ、二人からぴりぴりした緊張感のあるオーラが漂ってる…!」
タテハ「なんて、呼び名くらいで喧嘩したってね。つまらないよねえ」
ネスカ「本当。自分の考えに固執されても」
タテハ「そうだよね〜。他人のポリシーは尊重しなきゃね。じゃあ、仲良くしようね、プッタン♪」
ネスカ「……。」
ノエル「ネスくんがこんな露骨に嫌がる顔、初めて見たよ……」
*タテハは追い出された!
タテハ「もう!プッタンたらいじっぱりなんだから!」
ノエル「タテハちゃんもけっこう頑固さんだよね」
▼気をとり直して、食堂にやって来た!
ノエル「ここは食堂でね、ここでみんなでご飯を食べるの!」
タテハ「ふーん。誰が料理してるの交代制?」
ノエル「ううん、ユキちゃんってコックさんがいるよ!ユキちゃーん、いるー?」
雪平「はい、なんでしょ……」
タテハ「わ、何この鍋!どうしてかぶってるの?もしかして鍋の使い方知らないの?」
雪平「はわ、鍋の使い方は知ってますが……」
タテハ「使い方知ってるなら、鍋はかぶるものじゃないってことも知ってるよね?どうしてかぶってるの?」
雪平「ひ、秘密ですっ」
タテハ「あ、もしかしてもしかすると、癒着しちゃったとか、抜けなくなっちゃったとか?」
ノエル「タテハちゃん、ユキちゃん困ってるよ」
タテハ「えー、教えてよー!」
紅玉「これ、しつこくするでないぞよ」
タテハ「あ!姉さん!」
紅玉「人にはそれぞれ事情があるじゃろ。嫌がっておることを無理矢理聞き出そうとするでない」
タテハ「はーい。ごめんね、ユキちゃんさん?」
雪平「い、いえ……」
紅玉「すまぬのう、ユキ。こやつは今日から船の一員になるぞえ。食事も一人分多くお願いするぞよ」
タテハ「タテハです!よろしくね!」
雪平「雪平です。船で調理師をしてます。よろしくお願いします」
タテハ「ユキ…ユキヒね。そんな丁寧じゃなくていいのに」
紅玉「主はもう少し丁寧という言葉を覚えた方が良いぞえ」
タテハ「いひひ、姉さんには丁寧にする!」
紅玉「妾だけじゃなく、みなにじゃ。それと態々手を繋がなくとも用件は言えるじゃろ」
タテハ「いひひ!」
紅玉「主が何をしたいのか分からぬ」
ノエル「ねえ、タテハちゃんはこうちゃんのことをどうして『姉さん』って呼ぶの?」
タテハ「聞きたい?ならば教えてあげよう!脱獄してくるときに最後の最後で見つかって、私が看守に捕まりそうになって。そこを助けてくれたのが姉さんなのよ。そのときの格好良さったら…!私、この人について行くって決めたの!」
雪平「それで船にまで来たのですか?」
タテハ「そうそう!本当は紅玉お姉さまって呼びたかったのだけどね」
紅玉「妾はそんな白く可憐な百合畑のような呼び方をされとうない」
タテハ「って言うから、妥協して姉さんって呼んでるの」
ノエル「へぇー、そうなんだあ(ネスくんとこうちゃんの対応が全然違う…)」
タテハ「ねえねえ、姉さん!私、姉さんが働いてる姿が見たい!」
紅玉「はあ?邪魔はするでないぞえ?」
タテハ「うんうん、もっちろん☆ あ、ノエちん、案内ありがとね!」
ノエル「ううん、どういたしまして」
タテハ「ユキヒもまた後でねー!」
雪平「あ、はい。夕飯のときに」
タテハ「姉さんは何してるのー?舵とるの?」
紅玉「あー、べたべたするでない」
*食堂から嵐が去っていった!
雪平「また、一段とすごい方が入りましたね」
ノエル「タテハちゃんって、変わってるよね……」
紅玉←←←タテハ
の一方的アタック!