HERE TODAY DIARY Season2

　案の定、起きたら蜂の巣は跡形もなく撤去されていた。長姉恐るべし！(笑)
　今日は一日中、雨が降っていた。寒くて体が動きづらく、何度も転びそうになった。もっと着込まないとダメだなあ。

　仮設住宅を廻ってきたのだが、寒くても皆さん暖房はつけていなかった。夏は鉄板のように暑く、今の季節は冷たい壁。
　暖房つけたら？風邪ひくよと言ったら、「電気代がもったいない！」「灯油を買うなら食費に回したい！」なんて言うのである。おばあちゃんたちはお布団にくるまりながら、気が合う同士でお菓子やお漬け物を持ち寄りお茶飲みしていた。
　東電は何をしている！この方々は寒いのに耐えて、我慢しているんだぞ。電気代ぐらいサポートしなさいよ。最近、東電のズルさが露呈して、被災者が混乱している。賠償に必要な書類も、引っかけ問題集のように巧妙。
　あの日から七か月になるというのに、未だに安心出来る補償はなし。警戒区域解除になっても徐染やライフライン復旧が進まず、遠く離れた中通りで過ごす人たちの言葉にならない気持ちは計り知れない。本当にどうにかならないものだろうか。これから長い雪の季節がやって来るのに、お年寄りなど弱者に我慢を強いることなんて許されないぞ。そう思わない？

　そんな憤りが爆発しそうになりながら、また私は会議のための書類を書き込んだり、陳情を提出する準備に負われている。「もう政治家になっちゃえば！」と、この間どこかの村長さんに言われたが、こんな私が務まるわけがないっちゅーの(笑)。私だってこんな難しいことをいつまで続けられるかわからないのに。おバカな頭で考えて、福島が再生するのを早くなんとかしたいとの思いだけでやっている。三十数年生きてきて、穏やかな福島を見つめながら育ったのに、なぜこんなことしてるんだろうと思うことがある。だけど、放っておけない。見て見ないふりは出来るはずがないのだ。この現実は夢の世界じゃないのだから。みんなが知恵をしぼって何とかなるかもしれない。このおばあちゃんたちが頑張っているのと同じくらい私も頑張りたいし、とにかく諦めたくない。絶対諦めたくない。



　というわけで今日もチャンに会えなかった。彼の方もお店の調理場の工事で離れられない状況。夜に出掛けたら向かいのチィ姉が監視しているため、恐ろしいことになるのは目に見えてるから出来ないし(笑)。今は辛抱だ。耐えるのだ、私！(笑)






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