▼港で海兵に捕まったはずの紅玉とカイルが、女の子をつれて帰ってきた!

*食料買い出しに寄港したが、海兵に見つかった上にドジを踏んで捕まってしまった紅玉とカイル。残るハラペコメンバーで助けに行く作戦を立てていたところ、一人多くなって帰ってきたよ!


ノエル「こうちゃん、大丈夫!?カイルと一緒に港で捕まったって!」
紅玉「ああ、捕まったがの、逃げてきたぞえ」
???「おちびちゃんかわいーね!ここが姉さんの船?」
ノエル「え?」
???「いいねいいね!これで海を走るんだ!かっくいー!!」
ネスカ「……どちらさま?」
タテハ「いひひ、タテハちゃんでーす☆」
紅玉「む……話すと長くなるんじゃがのう」

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数刻前

紅玉「カイル……主がドジを踏むから、妾まで捕まってしまったじゃないか」
カイル「も、申し訳ないっす…!」
紅玉「主が妾の足さえ引っ張らなければ、こんなことにはならんかったのにのう」
カイル「うう……」
紅玉「とお主を責めてもこの状況は変わらぬか。さて、どうするかの」

ガサガサ

カイル「こっ、紅玉さん!この牢の奥に何かいます!」
紅玉「物音ごときでうろたえるでないぞえ。鼠じゃろ」
タテハ「私は鼠じゃないっつうの。人が気持ち良く寝てるというのに煩いわねえ」
カイル「ねっ、ねず、人!!?お、女の子…?」
紅玉「うろたえるなと……主は海賊に向いてないのう」
タテハ「なになに、君たち海賊なの?捕まっちゃったわけ?あはは、ご愁傷様〜」
紅玉「は?主も捕まったのじゃろ?」
タテハ「私は無実だもん。冤罪よ、いやんなっちゃう」
カイル「(紅玉さん!この人、幽霊っすよ!自分の無罪を信じたまま死んでこの牢に住み着いてるんすよ!)」
紅玉「しばし待つが良い、妾は頭が痛くなってきた。とりあえず、主の想像力には感心する」
カイル「褒められた(^∀^*)」
紅玉「……皮肉が通じぬとは」
タテハ「君たち漫才しに来たの?」
紅玉「そう見えるかや?妾は必死に逃れる方法を考えておるのがの」
タテハ「ふーん。君たち逃げたいの?」
カイル「当たり前じゃないっすか!俺、晒し首なんて…!」
タテハ「いひひ、協力してあげよっか?」
紅玉「方法があるのかや?」
タテハ「なにも案がないならそんなこと言わないよう。そのかわり、私も一緒に外に連れて行って」
紅玉「しかし、無実なのじゃろ?ここで逃げれば罪は確定じゃぞ?」
タテハ「でもぉ、食事が3日おきに同じメニューなんだもん。飽きちゃったよ。それに、もし逃げるのに失敗して捕まっちゃったときは、君たちの人質として連れて行かれたことにするから平気!そのときはよろしくね☆」
カイル「なっ?!」
紅玉「なんという自己中心的な……」
タテハ「君たち、ここにいたら晒し首は確定だし、今更人質の一人や二人、どってことないでしょー。どお?乗る?」
紅玉「むう、足元見おって……。よし、乗ろう。妾は紅玉、こっちはカイルじゃ。主の名前は?」
タテハ「え?……あ、えっと、タテ、ハ。そうタテハよ」
紅玉「タテハじゃの。その方法とやらを教えてくれぬか?」
タテハ「いいよー。じゃあ、まずは質問だけど、その檻って何でできてると思う?」
カイル「鉄っすか?」
タテハ「そう、そしてこの液体には金属腐食作用がある。私は毎朝毎晩、右から2から4番目の鉄棒に丹精込めて塗りたくっている。さあ、どうなる?」
カイル「……」
タテハ「(にやにや)」
カイル「……とれた」
紅玉「ここまでしておいて、一人でも逃げられるじゃろ?何故逃げない?」
タテハ「だってぇ、ここなら雨風しのげるし、ご飯も出るし、まあいいかなって」
紅玉「こんな独房の臭い飯がかや?」
タテハ「まあ、同じメニューとはいえ、お腹は満たせるし。そんなことより逃げるんでしょ?早くしないと見回りの憲兵さん来ちゃうよ?」
紅玉「よし、今度はドジるではないぞよ、カイル」
カイル「は、はい!」
タテハ「いひひ、では脱獄といきましょうか!」



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タテハ「というわけで!皆で逃げてきました!」
ノエル「すごーい!」
ネスカ「それで、どうして船まで付いてきてるの?」
紅玉「うむ、それがのぅ……」
タテハ「紅玉姉さんに惚れたの。私、姉さんに付いていきます!」
紅玉「まあ、なんというか、ずっとこんな調子での」
タテハ「そういうことだから!今日からお世話になりまーす!」
ノエル「よろしくね、タテハちゃん」
タテハ「はいはーい、みんなよろしくー!」
ネスカ「……船長は何て?」
紅玉「まあ、来る者拒まず、いつも通りじゃの」
タテハ「さて!次回のプリティスマイルタテハちゃんは『タテハちゃんがやって来る!』『タテハちゃんと潮風に乗ってどこまでも 〜ナメコとナマコの違いってなあに?〜』『怒涛の襲撃!海上の決戦!』の3本だよ☆」
ネスカ「……これ、誰に言ってるの?」
紅玉「妾には分からぬ」
タテハ「もう!みんなノリ悪いなあ!」
ノエル「タテハちゃんって、面白い人なんだね」
紅玉「変わってるの間違いじゃ」
タテハ「では、次回もお楽しみに☆」