画像は自家製豚ホルモンの煮込み。

ホルモンとサガリ(横隔膜)を煮込んだもの。


肉は、地元の、飼育からウィンナーまで手掛けている肉屋から、冷凍でそれぞれ1キロずつ、計2キロ購入している。

調理は、そのホルモン、サガリをそのままたっぷり大鍋のお湯を替え2回煮て、その都度かき混ぜ脂とアクを浮かせ、その後水で洗い、ホルモンやサガリの余分な脂をハサミで除き、サガリを大きめの一口大に切り、それを水から煮込む。
浮いてくるアクはていねいに取り除く。

柔らかくなったら、塩と、少なめの味噌で味付けする。

塩は煮込み途中で加えると、肉が固くなるので、柔らかくなってから加え味付けする。

今回はニンニクを切らしていたのでゴロゴロニンニクは入れず、そのままホルモン肉の旨味だけで、それでいてかなりおいしい煮込みホルモンになった。



ホルモンには思い出がある。
今は亡き父が若かりしころ、私をたまに肉屋が経営していた大衆食堂に連れていったのだか、その際よく食べさせられ、子どもだけにホルモンの味の強さ、力にお腹がモヤモヤして具合がわるくなり、やっぱりホルモンは大人の食べ物なんだな、と思った記憶があるのだ。
当時の父のパワフルないろいろな思い出が、ホルモンからいろいろ引き出されてくるのだ。

その時の、その大衆食堂(現在「大衆食堂」の用語は死語みたいなものですが、当時は大衆食堂と標榜する食堂がたくさんあったのです)の、そのホルモン鍋定食のホルモンは塩味で、豆腐とネギとかが入ったシンプルなものだった。

私が当時の父と同じくらいの年齢になり、ときどき、ひんぱんに、そのシンプルな、お腹がモヤモヤする記憶のあるホルモンがむしょうに食べたくなるようになっている。

父の思い出を味わおうとして、かつての、当時の大衆食堂に行ったことがあるが、そこはもうなくなっていた。


あのころの、お腹がモヤモヤする塩味のホルモンが食べたい。

でも、巷で食べるホルモンは、たいていが味噌煮込み。そして少量。


そうなると、当時のお腹モヤモヤ塩味ホルモンをたっぷり味わうにはもう自分で作るしかない。


それで作り始めたのが画像のようなホルモンなのだ。


2キロのホルモン、サガリを3日がかりで食し、私は父の思い出とともに十分堪能する。


父が好きだったホルモンの意味が、今になってしみじみわかるようになってきている。